Prometheus私には精神的に絶対耐えられません。

映画の本編の前に上映される予告編、トレイラーというのは映画を観るかどうかの判断に大きな影響を与えるものです。しかし、わざとなのかどうなのか、映像そのものは本編のものが流用されていても編集によって全く違う内容に捉えられてしまう場合もあり、予告編だけで判断するのは一つの賭けのようなものです。まあ、映像の質を見ることはできますし、ネタバレになってしまっては困りますので仕方ありません。

ここ一年ほどの間に予告編を何度も観て非常に気になっていたのが「プロメテウス」という作品でした。最初の頃はティーザーで宇宙ものSF作品であろうということくらいしかわからないものだったのですが、次第に映像が増えてきてなかなかハードなSFのように見えました。そこでちょっと調べてみるとどうも「エイリアン」シリーズの前日譚として始まった企画で、監督は最初の「エイリアン」を監督したRidley Scottということですが、私にとっては「ブレードランナー」の監督といった方がしっくりきますし、そう言われると期待が膨らんでしまいました。

しかし、実は私は「エイリアン」シリーズは一度も観たことがありません。「SFホラー」というジャンルだと言われてしまうと、ホラーとグロいものは苦手なのでどうしても避けてしまうのでした。しかし予告編はカッコいいし、Ridley Scottだし…としばしの葛藤の結果、思い切ってみてみることにしました。なお、日本での公開はまだ1ヶ月半ほど先ですが、アメリカでは1ヶ月ほど前から始まっていますので、あまり大きなスクリーンではありませんでした。

舞台となるのはとある惑星の衛星LV-223で、人類の起源を求めてここに行くために登場人物らが乗り組んでいった宇宙船の名前が”Prometheus”です。着陸後の調査の前線基地となり、無線の交信でも何度も船の名前が呼ばれるので、実際に印象に残る名前です。ギリシャ神話の神の一人プロメテウスが人間を創造したという説もあるとのことで、そこから命名されたものと思われます。

宇宙船Prometheusや8輪探検車両などのメカはSFメカ好きの心を揺さぶるものです。特にPrometheusの外観はなかなかのものだと思いますが、実は残念ながらあまりメカはあまり目立った活躍を見せません。船内の操作パネルはガラス様のタッチパネルになっていますが、今から80年後の世界にしてはそれほど画期的な技術も見られないのもちょっと残念でした。ただ、全自動手術台はその時点でも相当高価なものだとのことですが、このような宇宙旅行には欠かせない設備になるのではないかと思われます。

主演にはNoomi Rapaceというスウェーデンの女優が抜擢されていますが、あまりタフな感じには見えないところがかえっていいのかもしれません。その他、Charlize Theronはクールな美女という役どころでかなりハマリ役でしたし、Michael Fassbenderも怪しい感じで良かったのではないでしょうか。

しかし、全体的に悲しい作品なのですよね。観終わっても全くすっきりしません。やっぱり私はこういう作品が苦手なのかもしれません。面白くなかったわけではありませんし、映像もストーリーも期待以上によくできていたと思うのですが… と言いながら、「エイリアン」シリーズも観てみようかと思っていたりもするので、嫌いなわけではないということですね。自分でもよくわからなくなってきました。