やっぱり普通の女の子には戻れなかった。
およそ二年半ほど前、映画「キック・アス」が公開されましたが、どういうわけか日本ではカルト映画扱いになってしまい、大手の配給とはならなかったためか上映館が限定されたため、私はわざわざ神戸三宮まで観に行き、しかもデジタル上映なのにSD画質という酷いものでした。しかしながら作品そのものは非常に楽しむことができたので、続編の製作が始まったと聞いてからはそれをとても楽しみにしていました。そしてついに昨日「キック・アス2」が全米公開となったので、早速その初日に仕事を終えて急いで観に行ってきました。
普通の高校生David Lizewskiが通販で購入したコスチュームを着て悪者を懲らしめる実在のスーパーヒーローKick-Assになる、というのがこのシリーズですが、前作でマフィアのボスを倒してからしばらくおとなしくしていたものの、やはりじっとしていられずに活動を始め、やがてはそれが取り返しの付かないことになるというのが今回の展開です。もちろん、前回大活躍して多くのファンを掴んだHit-GirlことMindy Macreadyは今回も登場し、前回は無かった普通の高校生としての姿も見せてくれることになりますますファンは大喜び、といったところではないでしょうか。
Kick-Ass, Hit-Girlそして敵役のRed Mist改めThe Mother FuckerことChris D’Amicoは前作通りのキャスト、Aaron Taylor-Johnson, Chloë Grace Moretz, Christopher Mintz-Plasseがそれぞれ演じていますが、今回はまた新たなキャラクターたちが登場しています。中でも大物はColonel Stars and Stripesとして登場するJim Carreyですが、あの若干狂気じみたキャラクターを演じるにはピッタリのキャスティングではないでしょうか。もしかすると別にそれを意図したわけではなく、Jimが演じているためにそう感じてしまうだけだったりするのかもしれませんが…
しかしやはり今回もChloëの魅力全開です。前作の時点よりもだいぶ成長して「小さい女の子なのに強い」から「女の子なのに強い」に変わってしまいましたが、その分女の子らしい表情を見せるシーンなどもあります。タイトルキャラクターですしDaveとKick-Assを中心に展開するので主役が彼なのは間違いないのですが、Chloëの出番も負けず劣らずです。
それにしてもこの作品、R指定ということで暴力シーンや下品な言葉遣いが満載なのですが、その分レーティングに遠慮してソフトになってしまっている作品とは違う骨太さがあります。とはいえ残虐さを売りにしているわけではないので、ちゃんと飛び散る血などは描かれているものの残虐なシーンの直接的な描写はあまりありません。しかしながら現実のスーパーヒーローには相当な痛みが伴うものだということは感じさせてくれます。この映画を観て「自分もスーパーヒーローになりたい」と思う人は少ないでしょう。
ちなみに、前作を観た時に私は
このKick-Assが世間に知られるようになるきっかけがYouTubeへの投稿だったり、Kick-AssがMySpaceに自分のページを構えていたりという辺りは現代的ですが、MySpaceではなくFacebookならもっと良かったでしょうね。
と書いていましたが、今回Kick-Assが使っているのはしっかりFacebookになっていました。今やMySpaceなんて見る影もない状態ですから、当然のことでしょうけどね。