Heidelberg変わったところもあれば変わっていないところもあり、という当たり前の事実。

このところ何かと忙しくてこのブログもすっかり更新がご無沙汰になってしまいましたが、実は先々週末から4泊でドイツに出張に行っていました。目的地はフランクフルト近郊で、用件は2日間だけだったのですが、デトロイトとの間の直行便が現地朝到着、午前出発のものしかない上に、一日早く出発するとチケット代が2/3ほどになるためホテル代を考慮してもだいぶ安上がりだということで、土曜夕方発の日曜朝着で、日曜日は丸一日自由行動となる日程で行くことにしました。

その日曜日は勝手に電車に乗ってハイデルベルクにでも行こうと考えていたのですが、それが現地会社の現地人スタッフZoltanに伝わったところ、ちょうど自分も行く予定だから一緒に行こうと言ってもらえ、空港から車に乗せて連れて行ってくれることになりました。ドイツ人も遊びに行くようなところなのか、ちょっと出来過ぎではないかと思いつつも空港で落ち合い、ホテルにチェックインして荷物を置いて、それから高速道路、かの有名なアウトバーンをひとっ走りしてハイデルベルクに到着です。途中「結構飛ばしてるな〜」と思っていたのですが、実はさり気なく200km/hで走っていたとのこと。車線が広く、舗装も非常に良いので、車がAudi A4 AvantTDIだったというのもありますが、安定していてそんなスピード感はありませんでした。ミシガンでは舗装が酷い状態なので、たとえ出していいと言われても200km/hで走ろうとは思えないので大きな違いです。
Heidelberg Castle
ハイデルベルクでは旧市街の駐車場に車を停め、ケーブルカーに乗ってハイデルベルク城を見に行きました。ここで参加したガイドツアーで説明を受けたところでは、800年ほどもの歴史を持つこの城ですが、戦争や落雷による何度かの破壊を経て200年ほど前からは城跡としての保存が選択されているとのことです。したがって現在でも復元されているのは一部のみで、壁1枚だけが残っているような建物も多く、廃墟を見るようなものになっています。
Pfälzer Saumagen
この城がハイデルベルクの象徴にはなっていますが、昔ながらの町並みが残る旧市街も見どころの1つです。城を見た後は山を歩いて降り、旧市街の中心にある教会を囲む広場Marktplatzに出て、その近くのBrauhaus VetterというブルワリーでPfälzer Saumagenというものを食べてみました。典型的なドイツ料理らしく1つの皿にジャガイモとザワークラウトとメインのザウマーゲンが載せられてきましたが、ザウマーゲンというのは腸詰めの一種で、太めの野菜入りソーセージのようなものでした。よくわからないままに頼んでみたものの、ザウマーゲンもザワークラウトもなかなか美味しかったです。ただ意外だったのは、Zoltanもその息子Johannesもザワークラウトが苦手で、食べると具合が悪くなることがあるなどと言っていたことで、日本人の私が好きなのに妙な感じでした。まあ納豆が好きな外人もいる一方で苦手な日本人もいるというのと同じようなものなのでしょう。

昼食の後は旧市街をブラブラと歩いたのですが、この時どうしてZoltanら現地人もハイデルベルクに行くのかを聞きました。ドイツでは日曜日には家族と過ごすことができるように、商店も基本的には日曜日に営業することが法律で禁じられています。しかし、ハイデルベルクのような外国人向けの観光地は例外とされているため、日曜日でもショッピングが楽しめる特別な場所となっているようです。そう聞くと決していい法制度とは思えませんが、日本やアメリカにも適用されるとは思えないのでまあいいでしょう。
Speyer Cathedral
このあとZoltanらは帰るつもりだったようなので、私がシュパイアーにも行きたいから駅で降ろしてくれないか、と聞いてみるとすぐに着くから一緒に行こう、と連れて行ってくれました。まあそう聞かれたら普通はそうするでしょうが、ハイデルベルクから30分ほどで着くそこには世界遺産にも指定されているシュパイアー大聖堂があります。すぐ隣に技術博物館があるため、Zoltanらはそちらによく行くそうですが、なぜ私がこの町に行きたがるのかはよくわからなかったようです。この博物館も屋外のちょっと高いところにBoeing 747が展示してあったりして興味を引きますが、大聖堂の方も世界遺産に指定されているだけあってなかなか見応えがあります。この巨大な建造物が最初に建てられてから1000年近くも経っているというのは脅威でしかなく、日本はまだ平安時代だというのにこれほどのものができて、しかもそれが今でも残っているというのはやはり凄いことです。しかし、この建物はその威容を飾り立てて誇るでもなく、内外とも装飾が控えめで落ち着いているのが逆に優雅に見えます。

ということで一通りの観光を終えてフランクフルト近郊のホテルへ戻り、Zoltanらと別れてからホテル近くで夕食を済ませてこの日は終わったのでした。すっかり仕事で来ていることは忘れて楽しんでしまいましたが、土日を潰して出張しているのですからこの程度は構わないでしょう。