Kölnまさに「荘厳」。

ドイツ出張二日目の月曜日は、日本からの出張者が到着するのがその日の午後ということで、それまでの時間は予備として空けてありました。しかし、特にこれといってやらなければならないこともなく、またホテルのWi-Fiが非常に低速で使い物にならなかったので、この日は昼過ぎまでに行って帰ってこられるケルンへ鉄道で行ってみることにしました。

ケルンへ行くにはまずホテル最寄駅から近郊列車のSバーンに乗って長距離列車が発着するフランクフルト空港駅へ行き、そこからドイツが誇る高速列車ICEに乗るのが早いとのことでした。Sバーンの駅からケルン行きの切符も自動券売機で買えるので購入を試みたのですが、どうも紙幣の認識が非常に高い割合で失敗するようで、何十回と紙幣を変えながら試してみても最後の1枚がどうしても認識されないのです。ちょうど通勤時間帯だったため、他の客に早くしてくれというようなことも言われて少々焦りましたが、切符が必要なのは私も同じです。結局諦めて空港駅までだけの切符を買うことにしましたが、ここで改めて日本の水準の高さを再認識しました。というより、ドイツも大したことないな、という感じかもしれません。
ICE
フランクフルト空港駅は近距離駅遠距離駅とがちょっと離れていて少々歩く必要がありますが、数分程度なので大したことはありません。遠距離駅の方は1999年開業と新しいので、構内も明るく現代的でした。ここで今度はケルンまでのICEの切符を購入したのですが、やはり今度もなかなか紙幣が通りません。アメリカなら当然のようにクレジットカードが使えますが、カードを使う場合は窓口へと行かなければならないようで、そちらには行列ができています。今度はしばらく試しているとなんとか認識されて無事に購入できましたが、ドイツ人はこれで平気なのかと思ったら、どうやらICカードが使えるようですね。確かにそういう解決策でも合理的でいいのかもしれません。それならクレジットカードでもいいじゃないかとも思いますが。

さて気を取り直して乗り込んだのはICEでもどうやら最新型のようで、ネット上にもあまり写真がありません。先頭部のデザインが一部異なっていますが、内装も異なるものとなっているようです。天井には液晶パネルが1車両に4枚設置してあり、運行情報や速度などが表示されており、最高270km/hで走行していることが分かりましたが、揺れはともかく音は新幹線よりも静かだったように思います。
Cologne Cathedral
ところでケルンといえばこれも世界遺産に指定されている大聖堂が目玉です。というより第二次世界大戦で甚大な被害を受けたため、他は近代的な大都市でしかないのではないかと思います。その大聖堂はケルン中央駅の目の前にそびえ立っていますが、その二つの塔の高さに加えて黒い姿は非常に存在感があります。かなり離れないと全体を写真に収めることはできませんが、この日はあいにくの雨だったのと、時間があまりなかったのとで外観はあまり眺めることができませんでした。一方、内部に入ると美しい数多くのステンドグラスや荘厳な装飾を楽しむことができ、これもまた見応えのあるものだと思います。ちなみに私はここも30年前に訪れているはずなのですが、ほとんど何も覚えていないのだから我ながら恐ろしいものです。
ICE
1時間ほど大聖堂を見たあと近くで土産物を買い、駅前のカフェで軽く昼食を摂って早くも帰路に就きました。帰りのICEは行きよりも若干古いもののようで、外観の違いはあまり大きなものではありませんが、内装にはやや古さが見えました。といっても1時間少々の旅ですので大きな遅れさえなければ構いません。といいつつ何かの問題があったようで途中停車し、15分ほどの遅れが生じたのですが、やや挽回したようで最終的には10分程度の遅れにとどまったでしょうか。こういった情報は液晶パネルに表示されていましたが、特にアナウンスがあるわけでもなく、また乗客が誰かに文句を言ったりするでもなく、至って普通の出来事だったようです。世界的には正確と言われるドイツの鉄道でもこうなのですから、日本のように数分の遅れで駅員に詰め寄ったりするなんて、やっぱりクレイジーですよね。

ということで予定通り昼過ぎにはホテルに戻り、現地オフィスで日本からの出張者を迎えることができました。この後はいよいよお仕事ですが、それをここに書くわけには行かないので、後は帰路について書きたいと思います。