La La Land実はとても哀しい作品です。

現地時間の今日2月26日はアメリカ映画界の最高権威であるアカデミー賞の授賞式が行われます。そして今年の話題作は何といっても最多の13部門14ノミネートとなっている「ラ・ラ・ランド」ですが、日本では待ちに待ってこの週末にようやく公開となり、私も昨日さっそく観に行ってきました。ノミネートが多い方がいい映画、面白い映画だとは思いませんが、これだけ評価されているとなると観てみないわけにはいきません。しかも、主演の一人が私の好きなEmma Stoneなのだからなおさらです。

なかなか一般受けのしづらいミュージカル映画なので苦手という人も少なくないような気がしますが、予告編やテレビCMでも流れている渋滞した高速道路でみんなが歌い踊るオープニングで一気に引き込まれてしまうのではないでしょうか。あの長回しワンカットのシーンはそれだけでかなり見応えのあるものです。ストーリーとしてはジャズを愛しいつか自分の店を持ちたいと思うピアニストのSebastianと、女優を目指しオーディションを受け続けるもうまくいかないMiaが主役のラブコメディです。SebことSebastianはRyan Gosling、MiaはEmma Stoneが演じています。
La La Land - Ryan Gosling as Seb
この作品の素晴らしいところは確かにたくさんあって、アカデミー賞で多部門にノミネートというのも理解できます。一つは主演二人の演技で、特にEmmaがかなり良いです。喜怒哀楽ある役どころですが、それぞれ圧倒的な感情表現で場面を支配しています。私は「アメイジング・スパイダーマン」のGwen Stacy役で見たときからEmmaが気になっていて、この作品もEmmaが主演と知ったときから観る気満々だったので、そのEmmaの熱演を観てそれだけでも大満足です。
La La Land - Emma Stone as Mia
また、ミュージカルですから音楽も重要な役割を占めていますが、その点も大変素晴らしい出来となっています。随所に歌やダンスが入りますが、EmmaやRyanの歌もなかなか悪くありませんし、ダンスもキレがあってとても楽しいです。ジャズへの愛を熱く語るSebが弾くジャズピアノも、その他のジャズの曲の数々も良いので、私もちょっとジャズを聴いてみようかという気になってしまいました。

もう一つ、映像の鮮やかさも良いところです。明るいロサンゼルスの太陽の下や華やかなパーティ会場で、カラフルなドレスを着た人々が踊る場面などは観ていてワクワクするものですし、また夕暮れ時の空のグラデーションがすごく綺麗なのが印象的でした。私はついつい写真を撮る人の目で観てしまうのですが、自分もこんな美しい空をカメラで捉えられないものかと思ってしまいました。

全体的に観ていて感じたのは、これこそ映画の良さなんだろうなということです。いくつもの要素が総合的・有機的に絡み合って作り上げられたこの楽しさは、映画ならではではないでしょうか。アカデミーにあれだけ評価されているというのは、ハリウッドの身贔屓だけではなく、そういうことなのだろうと思いました。

ということで私は今サウンドトラックを聴きながらこの記事を書いているのですが、映画を観る前は流して聴いてしまっていたような曲も、観てからだと場面が目に浮かんで何度でも聴いてしまいます。さて、今夜のアカデミー賞授賞式ではこの作品からいくつ受賞することになるでしょうか。

ラ・ラ・ランド-オリジナル・サウンドトラック
サントラ ジャスティン・ハーウィッツ feat.エマ・ストーン
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