ちょっと考えればわかることも。
🕴🏼

昨年施行された「働き方改革関連法」に従ってトップダウン的に言われてきた「働き方改革」によって、私の勤務先でも制度として在宅勤務が可能なようにはなっていましたが、いろいろな制限があってなかなか積極的に利用できるようなものではありませんでした。しかし、COVID-19のパンデミックとそれによる緊急事態宣言とによってそうも言っていられないような事態となり、在宅でも業務遂行可能な人は基本的に在宅勤務ということになりました。

その後一時的に事態が和らいだために徐々に出社比率が高くなっていますが、私は基本的に週1日だけ出社するほかは自宅で業務を行っています。職種によってその効率などは異なることでしょうが、私の場合は実際それで困ることはほとんど何もありませんし、出社しても一日中PCの前に座っているだけなので、何のために出社しているのかもわからないような感じです。

そこで最近急速に普及しているのがネットミーティングで、私の会社ではSkype for BusinessTeams、以前はWebExなどを使用していましたが、セキュリティ上の懸念からZoomの業務での使用は禁止されています。日によっては一日中様々なミーティングで埋まってしまっていることもあるので、このために購入したRazer Krakenも大活躍です。

しかしこういうものが普及してくるとそこで金儲けしたくなる人が出てくるのは避けられません。昨日Twitterで知ったのは「超基本 テレワークマナーの教科書」というような本で新手の「マナー」を広めようとしている人がいるということでした。9月発売の本なので本当にこの本に書かれていることなのかわからないのですが、以下のようなことが伝えられています。

  • 会議の開始の5分前にはルームに入りましょう。
  • 終わるときは深々と頭を下げながら会議終了ボタンを押す。
  • お客様より先に退出してはいけません。
  • テレワークには上座がある。
  • 普段着や気軽な服装と言われても平服で参加。
  • ヘッドセットは(見た目が)NG。

私はこの本自体が実在しないもので冗談なのかと疑ってしまいますし、良くて都市伝説という感じで、常識のある人の目にはバカバカしいとしか思えないような内容ばかりですが、いわゆる「情弱」だと信じてしまうものなのでしょうか。なぜかネット上の情報ではビデオ会議前提のものが多いのですが、そもそも私はビデオをネットミーティングで使用したことがありません。そのため頭を下げるとか服装とかは関係ないのですが、ミーティングは時間通りに始めるものなので5分前に入っても無意味ですし、終わったらさっさと退出すればいいですし、上座も下座もありません。

[2020-08-13 追記]
実際にはこのような内容は掲載されていないようで、別の記事「超基本 テレワークマナーの教科書」に記載しました。
[追記ここまで]

ただ、こんなエセマナーよりも守って欲しいマナーというものはあります。あちこちで言われているものばかりでしょうが、それは次のようなものです。

  • 自分が発言しない時にはミュートする。
  • 息がかからない位置にマイクを調整する。
  • 画面を共有して発表している時に不必要に画面を切り替えない。
  • 画面を切り替えながら喋らない。

本来のマナーというのはこういうスムーズに効率よくミーティングをすすめるための実用的なものであるべきで、わけのわからない「こうしないと失礼」というようなものは誰かが勝手に作り出しているだけのものではないでしょうか。なお、上記のうちはじめの2つは不要なノイズによって必要な会話の邪魔をしないためのもので、あとの2つは画面を切り替えると大量のデータが送られ、通信帯域に限りがある場合に音声が途切れることがあるため、その対策としてのものです。

ということで、私はネットミーティングの普及によって会議の時間は確実に短くなり、効率的に業務が進められるようになってきたと実感しています。一方、要らない人がわかるようになったとも言われていますので、そう言われないように積極的に発言していくことも必要ですね。