誰の得にもなっていない。
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今月はじめにプラスチック製買物袋、いわゆるレジ袋が有料化されてからもうすぐ1ヶ月が経過しようとしていますが、いろいろな問題も出てきているようです。

環境省よりも経済産業省が主導していることもあって趣旨がやや曖昧なのですが、ウェブサイトには

普段何気なくもらっているレジ袋を有料化することで、それが本当に必要かを考えていただき、私たちのライフスタイルを見直すきっかけとすることを目的としています。

と記載されています。しかし、ライフスタイルをどう見直すことを期待しているのかが明確になっておらず、説明になっていません。この前段には

プラスチックは、非常に便利な素材です。成形しやすく、軽くて丈夫で密閉性も高いため、製品の軽量化や食品ロスの削減など、あらゆる分野で私たちの生活に貢献しています。一方で、廃棄物・資源制約、海洋プラスチックごみ問題、地球温暖化などの課題もあります。私たちは、プラスチックの過剰な使用を抑制し、賢く利用していく必要があります。

と書かれているので、省資源化が目的と考えるのが妥当なように思えます。

しかしなぜ今「省資源」なのでしょうか。以前から決まっていたことなので翻すことができなかったということなのは想像できますが、よりによってパンデミックによって世界的に景気が沈んでいる時に始める必要があるのでしょうか。アメリカのいくつかの州では客が持参したエコバッグにウイルスが付着している可能性があるという衛生面の懸念から、逆にエコバッグの使用が禁止されているということなのに、こういう融通の利かないところは日本の悪いところです。アメリカで生活していた時には融通が利くことに逆に驚いたものです。

そもそも、商店が顧客サービスとして提供していたレジ袋が、数円という値段であるといってもいきなり有料と言われたら、1円でも安く買いたい客としては絶対的な金額の大小とは無関係に使わずに済ませたくなるものです。逆にこれがもし、レジ袋不要なら割引、という形であったとしたら、顧客の心情を損ねず売上は維持したまま、目的を同じように果たすことができたのではないでしょうか。要は必要もないのにレジ袋をもらってポイと捨ててしまうようなケースを減らしたいわけです。数円でも節約したい、得したいと思う人はレジ袋を持参するようになったり、手で持てるような場合には袋は要らないと言うようになるでしょう。これは楽観的すぎるでしょうか。

また、本来この法制度はプラスチック製買物袋が対象で、紙袋は対象外とされているのですが、私もよく買い物に行くカルディコーヒーファームでは4月からプラスチック製レジ袋を廃止した上に紙袋まで有料化し、その紙袋も15円というかなり高めの価格になってしまいました。もともとカルディの紙袋は結構しっかりしたものだったうえ、さらにちょっと重いものを買うと袋を二重にしてくれて、他店に比べてもふんだんに使う方だったので、余計に落差が激しく感じられます。これも「マイバッグ」持参を促進するためということなのですが、もともと買い物の予定はなかったけれどたまたま店頭で見つけて買おうと思った、ということもあるはずなので、これが機会損失につながっているのではないでしょうか。経営上の判断なので素人が口出しすることではありませんが、私も利用していて不便に感じることがあるので触れさせていただきました。