電子ペーパーといえば電子書籍端末ですが、私は普段Kindle Paperwhiteを愛用して、Narou.rbで作成した本を毎日読んでいます。今のところそれで満足しているので、新しいKindleやその他の電子書籍端末が欲しいとは思っていなかったのですが、BOOXPalmaが凄く良いというのをポッドキャストを中心にあちらこちらで聞いて、私も非常に欲しくなってしまいました。

この端末はAndroidで動作しているのですが、PalmaのOSはAndroid 11という2020年にリリースされたバージョンなのでちょっと古いのが気になって躊躇していました。しばらくそのまま気を静めていたのですが、Palma 2という後継機が出ていることを昨年末に知ってしまい、これはAndroid 13にバージョンアップされていて、さらに指紋認証も追加されたということで勢いづいてついうっかり注文してしまいました。本当に年末ギリギリに注文してしまったせいでその後製品が届くまでには時間がかかってしまったのですが、先週末に手元に届いてしばらく使ってみました。

日本ではSKTが販売していますが、日本での価格は円安ドル高の影響もあって52800円となかなかの価格になってしまっています。米ドルでの価格は279.99ドルなので感覚的には倍ほどになってしまっているのではないでしょうか。私は幸いドル建ての預金があるので、そちらから支払うことで為替の不利を回避しました。

まるでスマートフォンのようなスリムな形状で、縦横比2:1の縦に長い電子ペーパーディスプレイが特徴的なデバイスです。機能的にはあくまでタブレットの扱いですが、Google Play Storeが普通に使えるので、様々なアプリを動作させることができます。電子ペーパーなのでさすがに動画を見るには適しませんが、決して動かないというわけでなければ、カクカクで見るに耐えないというほどでもありません。モノクロで階調が少ないのはどうしようもありませんが、秒間10コマ程度は出ているのではないでしょうか。YouTubeなども緊急避難的には見ることができると思います。これはKindleなどよりも遥かに高性能なCPUが搭載されているということもその理由の一つですが、そのおかげで各種操作も非常に軽快です。

また、肝心の電子書籍は標準のリーダーもインストールされていますが、Kindleアプリをインストールすれば普通にKindle本を読むこともできますし、他に好みのAndroidアプリがあればそれを使うことも問題ありません。ただし、この画面の形状なのでリフロー型でないと読みにくいでしょうし、マンガなども同様で、こればかりはどうしようもないでしょう。

また、こんな形をしていてもセルラー回線は使えないので、Wi-FiやBluetoothが使える環境でないとインターネットに接続することはできません。それさえ問題なければ、Xmixi2などのSNSのために使うというのも、長時間見ていても目が疲れにくいのでいいのではないでしょうか。というか、私の現在の使い方は主にその様になってしまっていますが、スクロールの滑らかささえ我慢できれば実に快適です。

電子ペーパーであることと、セルラーがないことで一般のスマートフォンより遥かにバッテリーの持ちがかなり良いのは美点です。一日適当に使っていても10%程度しか減らないので、一週間は充電無しでも大丈夫そうです。バッテリーが減ってきたとしても、充電端子は当然USB-CなのでiPhoneの充電ケーブルと共用できるので安心です。まあこれはiPhone側がLightningをやめたからではあります。

Palmaを絶賛していた人の多くは「電子書籍をポケットに入れてどこにでも持ち歩ける」ということを魅力の一つに上げていましたが、私の場合はどこにでもKindleを持っていってしまうことと、Paperwhiteは防水であるため風呂でも使えるということが大きいので、電子書籍を読むのは今のところKindleを使い続けることになりそうです。ただし、Kindleストアで購入した書籍などは複数の端末で同期できるので、Palma 2でKindleアプリを使って読むということはするかもしれません。

しかしガジェットとしてはとても気に入ったので、しばらくはいいおもちゃになりそうです。また、この他のBOOXの電子ペーパータブレットも気になってきて、Go Color 7なんていいんじゃないかなんてことも思い始めてしまって困っています。カラー電子ペーパーで249.99ドルというのはちょっと魅力的ではないでしょうか…