昨年の「NPBがフジテレビの日本シリーズ取材パス没収」という記事でも書いたとおり、フジテレビが日本シリーズの裏番組としてワールドシリーズの再放送を行なったことに対して日本野球機構(NPB)が「腹を立てて」、フジテレビから日本シリーズの取材パスを没収したという出来事がありました。
これについて私も去年の記事の中で「私が気になるのは、これは「優越的地位の濫用」という独占禁止法が禁じる不公正な取引の一類型に当てはまるのではないかということです。」といっていましたが、この扱いは「取引妨害」にあたる恐れがあるとのことで、公正取引委員会が再発防止を求める警告を出す方針を固めたとのことです。
これに対してNPBは「警告の前提となる事実認定や評価に重要な誤りがあり、法解釈としても疑義があるなど、当機構としては受け入れがたい」などとコメントしているとのことですが、それは「別に間違ったことはしていない」ということでしょうか。「腹が立ったから取り上げた」というのは間違いないようなのですが、それでも法的には何も問題ないという主張なのでしょうか。
また気になるのは、「方針を固めた」という段階でこのような報道が出てくることです。公取委からは今日の時点でもまだ発表されていないようですが、そのような未発表の情報が大々的に出てきてしまうのは問題ないのでしょうか。企業であれば機密漏洩にもあたるのではないかと思われますが、行政組織では問題のないことなのでしょうか。方針が固まってから実際に警告が出されるまでには何日かの遅れがあるのかもしれませんが、情報の種類によっては大きな問題になることもありそうです。誰の判断に基づいてどういう意図でリークされているのでしょうか。
私がこのニュースを最初に見たのは当事者であるフジテレビのFNNプライムオンラインでしたが、その後他のテレビ局やニュースサイトでも伝えられていたので、おそらくこの後発表されるのかと思いますが、なんだか大人の汚い社会を見せられているようでちょっと嫌な感じです。スポーツが清いものだなんていうのは幻想なのでしょうか。