Monaco最近カーナンバー4佐藤琢磨のキャップを被って自転車通勤を再開した私(というのは無関係)ですが、モナコグランプリには特別な思い入れがあります。伝統の公道サーキットならではのことですが、グランプリコースを歩いて一周したことがあるためです。行った時期が2月ということでグランプリの面影は一切ない…かと思いきや、縁石の一部に紅白のカラーリングが残されていたりして、2週間弱のパリ+地中海沿岸旅行の間で最も印象に残る思い出の一つです。

それはさておき、モンテカルロ市の旧市街の公道を締め切って行われるということで、コース幅が狭くツイスティなのでオーバーテイクが非常に困難な超低速サーキットとしても知られています。そんなグランプリなので予選順位が決勝にかなり大きく影響することになるのですが、今回はミハエルが信じられないことをしてくれました。

ミハエルが一番時計でアタックを終えた直後、クルマが不自然な挙動を見せてコーナー出口に止まってしまい、好ペースでアタック中の後続のアロンソを妨害する結果となり、これによってミハエルが予選順位トップとなるということが起こりました。結局、スチュアードの裁定によりミハエルの予選タイムは全て抹消されて最後尾スタートとなってしまったのですが、まさかミハエルがそんな姑息な手を使ってまでポールポジションを獲得しようとするなど誰も思ってはいなかったでしょうし、もちろんミハエルが「わざとだ」などと言うはずもないので真実はわかりません。一体何がどうなったのかという感じです。

決勝グリッドではフロントローにアロンソとウェバーが並び、その後ろにライコネン、モントーヤと続くのですが、マッサも予選アタック1回目でクラッシュしてタイム無しなので最後尾、ミハエルはエンジン交換してピットスタートを選択しました。SAF1の2台は後ろに2台のフェラーリがいるというありえない展開ですが、下手にブロックしてまた何か言われるのもたまらない…などと余計なことを考えたのは私だけでしょうか。

スタート直後にライコネンがウェバーをパスしてしばらくの間、先頭集団はアロンソ、ライコネン、ウェバー、モントーヤとなり後続を引き離します。その後ろはバリチェロを先頭とする一団がいて…ということなのですが、ミハエルは16位まではごぼう抜きだったものの、15位に沈んでいるバトンに抑えられてなかなか前に出ることができません。今のミハエルにとって敵はアロンソだけなのですから、相当歯痒い思いをしたことでしょう。

低速サーキットを得意とするらしいウェバーはせっかく3位を走行していたのに、48周目にピット出口付近にマシンを止めてリタイヤすることになってしまいました。またこれによってセーフティカーが導入されてスローペースで走行している間に2位にいたライコネンまでエンジンブローしてしまい、一気にアロンソのライバルが2台もいなくなってしまいました。これでこの日の勝利はアロンソのものと確定したも同然です。

気付けばミハエルは6位まで上がっていたのですが、さらに3位走行中だったトゥルーリも残り5周というところでリタイヤを喫することとなったため、結果を見るとミハエルは5位フィニッシュ、その前にはバリチェロ、クルサード、モントーヤ、アロンソということになりました。最後尾からの追い上げはさすがですが、普通に予選を戦うことができていれば優勝できていたかもしれないと思うと全く勿体無いことをしてしまったものです。

SAF1はといえば、琢磨は46周目にいつの間にか車を降りてファンに向けて手を振る姿がテレビに映されることになってしまいましたが、モンタニーは初完走を果たすことができました。シーズン最初の2戦は信じられないほどの信頼性の高さで驚いてしまったものですが、やはり壊れないようにするというのは難しいものなのですね。まあ、ホンダやトヨタも壊れるのですから当然と言えば当然なのですが。

それにしても今回のGP、フジテレビの編集が入っているとはいえ、地上波では下位チームの姿が全く放送されなかったのでどうなっているのか全くわかりませんでした。いつもはそんなことは感じたことがないのですが、一体どういうわけなのでしょう。下位チームを応援するファンだっているはずなのですから、もう少しは映してもらえた方が良くないでしょうか。もちろん、テレビに映るためには結果を出す必要があるというのもよくわかるのですが…

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