会費を集めて「無料通行宣言書」を発行し、高速道路通行料金の不払い運動を進めていたフリーウェイクラブの会長が道路整備特別措置法違反の容疑で逮捕されたそうです。

もともと30年後に無料化されるはずだった高速道路が一向に無料化が実施されず、通行料金が値上げされ続けることに対し抗議して、値上げ分を支払わず値上げ前の料金で通行する運動を始めていた人なのですが、そのうち主張が変ったのか「無料通行宣言書」を料金収受員に提示して通行料金を全く支払わないようになり、さらに会費を集めて組織化を図ったようです。

当初警察が「民事不介入」の立場で取締り等を行わなかったために「無料通行を行っていながら検挙されないのは当局が法の矛盾を認めているからだ」というようなことを語っていたそうですが、昨年10月の法改正により不正通行に罰金刑が科せられるようになりました。これにより最近になって宣言書を使って料金を支払わなかったために逮捕されるケースがいくつか続き、ついにその大元である会長がその逮捕されることになりました。

本来無料で通行できることになっていたはずの高速道路がいつまでたっても無料になるどころかその期日が先延ばしにされ、ついには無料化自体が反故にされてしまったことについては私も納得できないところはあります。特にそれが旧道路公団の放漫経営や談合などの不正によるものが大きいとなればなおさらです。しかし、ほとんどの人が我慢しながらも支払っている料金を自分達だけが回避しようなどというのはやはり自分勝手でしかないでしょう。当初の信念はまだ良かったのでしょうが、周りに集まった人達の多くはそんなことなど関係なく、ただ無料で通行したいというだけの人だったのではないでしょうか。

ちなみに、ヨーロッパなどでは高速道路も無料で通行できるというところが多いのではないかと思いますが、それは日本よりも高い税金が徴収されているからでもあるということを忘れてはなりません。快適な道路を作るためにはどうしても金がかかりますから、その原資をどうするかというところでそれが税金なのか通行料なのかという違いがあるわけです。受益者負担ということを考えると通行料を集めるというのが妥当なところと思えますが、その通行料を集めるためにもまた人件費や設備が必要になるわけで、あまり効率が良くないとも言えます。それでも一度方針を決めてしまった以上、途中で転換するのは難しいことですし、役所であればそれはなおさらではないかと思われます。

それはそうと、数時間前にWikipediaを見たときにはなかったのですが、今見ると簡単ながら「フリーウェイクラブ」の項目ができてしまっています。あくまで百科事典なので速報性は望んではいけないはずなのですが、こうして素早く更新されていくというのはWikiならではといったところですね。改めて感心してしまいました。

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