T-1000殺さなければいいというものではないような…

先日のターミネーターに引き続き、今度はそのままの邦題が付けられた続編「ターミネーター2」を子供と一緒に観ました。USJのアトラクションのベースになっているのがこのターミネーター2であるということもあり、子供にはこちらの方がわかりやすいかとも思っていたのですが、以前からリモコンが使えなくなっている我が家のDVDプレイヤーでは音声を切り替えることができず、このDVDでは運悪く英語音声がデフォルトとなってしまいました。ところどころは私が簡単に説明はしたものの、あとは雰囲気でわかってもらわなければならなかったのは残念でした。早く新しいDVDプレイヤーを買わなければなりませんが、今さらDVD専用のプレイヤーを買うのも気が引けてしまい、どうせならHDDレコーダーかBlu-Rayなどと一体になっている方が…などと欲が出てしまって買えないのです。

ターミネーター2 エクストリーム・エディション (初回限定生産)
監督:ジェームズ・キャメロン
ジェネオン エンタテインメント (2006/03/24)
ISBN/ASIN:B000CQM5M8

さて、今度はすっかり人気者になったArnold Schwarzeneggerを悪役に据えるわけにはいかなかったのか、未来の指導者であるJohn Connorを守るようリプログラムされて未来から送り込まれてくるT-800ターミネーターの改良型であるモデル101と、Skynet側のターミネーターT-1000との戦いということになりました。この辺りが何となくご都合主義というか、世間に迎合しているような感じがして、前作よりも俗っぽく感じてしまうのは私だけでしょうか。

今回は前作の製作から7年の歳月が経過しているということもありますが、それ以上につぎ込まれている予算が前作の650万ドルに対してなんとその10倍を軽く超える1億ドル超というとんでもないことになっているので、CGをバリバリ使ってかなりクオリティの高い映像になっています。その一番の表れは何といっても液体金属でできているという敵方のT-1000の表現で、相当な技術と時間すなわち金が使われていることが伺えます。もちろん現代のCGI技術の自然な表現から見ればCGであることを誇示するような液体金属の表現は幼稚ともいえるものですが、公開されたのが今から16年も前の1991年であるということを考えると、今でも色褪せることのない映像は驚異的なものです。

またこの作品は前作でいとも簡単に人を殺してしまっていたターミネーターが、かなり人間に優しくなっています。物語の設定ではJohn Connorの命令により人を殺さないことを誓わされているからなのですが、これは暴力的な表現を減らし和らげることにより前作よりも幅広い層に見てもらうことを狙ったものなのでしょう。私も個人的に血を見るのが好きでないのでクリーンになるのはいいのですが、何となく子供向けのような感じになってしまったなどというのはちょっと酷でしょうか。まあ楽しく見ることはできましたので、エンターテインメントとしてはこれでいいのかもしれません。

ところでWikipediaに書いてあることですが、この映画の決め台詞といえば”Hasta la vista, baby”ですが、”Hasta la vista”とはスペイン語で「さよなら」を意味する普通の言葉なのでスペイン語圏の人々にとっては全くエキゾチックなものに聞こえないため、スペイン語版では”Sayonara, baby”になっている、というのは面白いですね。当の日本語版では「地獄で会おうぜ、ベイビー」などという面白くも何ともない訳で台無しにしてしまっているというのもまた皮肉なものですが…どうしてこうセンスがないのかと呆れてしまうばかりです。