スパイダーマン: ホームカミングアメリカの高校生らしい。

日本では70年台に東映テレビシリーズを製作していたこともあってMarvel作品の中では圧倒的に知名度の高い「スパイダーマン」シリーズですが、実写映画はこれまでTobey MaguireKirsten Dunstの「スパイダーマン」からの3部作のあとリブートされてAndrew GarfieldEmma Stoneの「アメイジング・スパイダーマン」シリーズ2作が製作されていました。Gwen Stacyが亡くなってしまったあとはどうするのかと思っていましたが、「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」で新世代のスパイダーマンとしてTom Hollandがデビューし、そして今回「スパイダーマン: ホームカミング」として本編が公開されることとなりました。

ヒロインは一応Laura Harrier演じる1年先輩のLizということになるのでしょうが、物語の中では重要な位置にはあるもののそれほどクローズアップされておらず、むしろ端々で登場するZendayaが演じているMichelle “MJ” Jonesの方が目立っていますし、次回作ではさらに重要な役どころになる可能性があるように感じました。しかし、スパイダーマンでMJといえばMary Jane Watsonですし、特に最初の三部作でMJを演じていたKirsten Dunstに思い入れのある私としては少々複雑な気持ちです。

それはともかく、この作品は「シビル・ウォー」直後の話となります。「シビル・ウォー」を観ていないと序盤は何のことやらということもあるかもしれませんが、大きな問題はないでしょう。また、Tony Starkとアイアンマンが結構登場しますが、やはり存在感があるのでスパイダーマンもMarvel Universeの一員に加わったと印象づけているように感じました。また、リブートではありますがPeter Parkerがスパイダーマンとなった経緯や伯父Benの死についてはほとんど触れられていないので、全体的に明るい感じになっているのではないでしょうか。

違和感が拭えなかったのは伯母のMayが衝撃的に若くなっていることです。これまでの作品ではBenとMayの夫婦は老夫妻というような年齢に設定されていたのですが、今回Mayを演じているMarisa Tomeiは現時点でも52歳で、しかも白人にしては実年齢よりも若く美貌を保っているように見えます。私は最初Anna Kendrickと見間違えてしまったので、それがMayであるとはすぐに理解できませんでした。MarisaとAnnaってちょっと似ていませんか?

全体的には、Peterがとても若々しくてとても良かったと思います。スパイダーマンのスーツがアイアンマンばりにハイテクなのはこれまでになかった設定ですが、今後もそれで行くのでしょうか。蜘蛛の力で超能力、という設定がぼやけてしまわないかと余計な心配もしてしまいますが、面白く仕上がればそれでもいいと思います。