SoftBank Mobile私が最初に購入した携帯電話はNTT DoCoMoのSO101 by Sonyというモデルでしたが、次に買い換えたのは今はなきJ-PhoneことデジタルホンのSharp製端末DP-203というものでした(スタパトロニクスで紹介されています)。当時J-Phoneは他社に先駆けてインターネットメールとの相互送受信を実現しており、ここにぐぐっと来てキャリアごと乗り換えてしまったわけですが、それ以来私はキャリアを変更することで番号が変わってしまうことにもあまり抵抗を感じなくなってしまい、結局その後何度も番号を変えながら乗り換えを続け、今のauに落ち着くようになったのはつい数年前からのことです。後から思えば周りの人の迷惑をもっと考えるべきだったような気もしますが、もともと私のところに電話をかけてくるような人は滅多にいなかったのであまり頓着しなかったのかもしれません。

普通の人はやはり番号が変わってしまうことには抵抗があるらしく、他社から魅力的な端末やサービスが発表されてもなかなか乗り換えるまでには至らなかったようなのですが、つい先日番号ポータビリティ(MNP = Mobile Number Portability)というシステムが構築され、番号を変えずにキャリアを変更することができるようになりました。これによって他人に迷惑をかけずに、またいちいち連絡する必要がなく、連絡を忘れた相手と音信不通になるような心配もなく乗り換えが可能になったということで、各キャリア間でユーザの流動があるのではないかといわれていました。とはいえ、長期利用者割引がリセットされてしまうということと、メールアドレスは変更せざるを得ないということであまり利用者はいないのではないかという見方もありました。特に最近は通話よりもメールでのやりとりの方が多いという人も少なくないと思われますので、アドレスが変わってしまうということには抵抗のある人もいるかもしれません。私の場合は携帯のアドレスはほとんど誰にも教えておらず、PCと共通のアドレスから転送するようにしているのでこれは全く気にならないのですが…

事前調査ではユーザ数全体の変動でいえばDoCoMoが減少し、auとSoftBankがやや増えるというような結果になっていましたが、実際に蓋を開けてみるとauからのお知らせによると

昨日10月28日に引き続き、ソフトバンクモバイル社(以下、SBM)から弊社へ移転されるお客様の増加に伴い、SBM社のシステム処理遅延障害が発生したため、弊社携帯電話へのMNP受付を停止しております。
また、弊社からSBM社へのMNP受付につきましても現在停止しております。

というような状況で、どうやらVodafoneのブランド力を失って先行きに不安を感じたためかSoftBankからの流出が想定以上に多かったようです。

かねてから携帯電話事業への参入を熱望していたSoftBankがボーダフォン(日本)を買収し、念願のサービス開始に向け怒濤のごとく13機種を発表したのは良かったのですが、細かい制約は小さく表示して「0円」ばかりをやたらと強調した「予想外割」がうさんくささ満点で私はかなり抵抗を感じてしまっています。これを見て「これは凄い!ソフトバンクに乗り換えなければ損だ!」と契約に走ってしまう人がどれだけいるものなのか私にはわかりませんが、実際にこのサービスで得をするのはかなり限られた条件を満たした場合だけになりそうな気がします。DoCoMoの社長などもかなりの不快感を表明しているようですが、果たしてSoftBankの戦略はどこまで通用するものなのでしょうか。また、以前からVodafoneを利用していたユーザは今後どういう動きに出るのでしょうか。

まあ、私のような使い方であれば通話エリアが十分に広くてメールなどの使い勝手が良ければそれで十分なので、あとは安いに越したことはないといったようなところですが、どのキャリアを選ぶかというのは結局は端末の魅力に追うところが多そうですね。そういう点ではDoCoMoも先日魅力的な14機種を発表したところですし、auが発表した12機種はどうも押しが弱いような気がしてしまいますが…本当はそんなことよりもSIMカードでキャリアと端末を分けて考えられるようになってくれた方がユーザの利便性は高そうですけどね。