MySpace JapanSocial Network Service(SNS)というと日本ではmixiが支配的なシェアを握っているようで、そのユーザ数は7月の時点で500万人を超えたと発表されています。これだけユーザが増えているということはコンピュータに疎い層にまで広く浸透してきているということになりますが、そうなると心配になるのがリテラシー不足によるセキュリティ上の問題です。つい最近も「他人のページに『足あと』を残さずに訪問できる裏技がある」という噂が流れ、これが実はmixiのバグを突くもので自分のページに全ユーザがアクセスできなくなるデマだったということで大騒ぎになったそうですが、こういうものに何の疑問も抱かずに実行してしまう人がたくさんいるということは、さらに危険なトラップだった場合には目も当てられない自体になってしまいそうで空恐ろしくなります。先日はついに私の妻も友人から招待を受けアカウントを作成したそうですが、悪意を持つ人による被害に遭うことのないよう祈るしかありません。なお、夫婦とはいえ互いのプライバシーもあるので「マイミクシィ」にはしていませんし、妻がどういう名前で登録しているのかも知りません。

日本ではmixiが圧倒的に優位に立っているような状況ですが、世界に目を転じるとNews Corporation傘下のMySpaceが総ユーザ数1億2500万人超という規模で世界一のSNSということになっています。世界第10位の日本の総人口をも上回ろうかというほどであり、世界中の人口の2%にも匹敵するというのはものすごい勢力ですが、これまでは日本語に対応していなかったということもあり英語の苦手な日本人の参加はほとんどありませんでした。しかし、このたびソフトバンクがNews Corporationとの提携によりMySpace Japanの立ち上げを発表しました。ソフトバンク傘下のYahoo! JapanにはDaysというSNSが地味ながら存在するのですが、今後はMySpace Japanへと移行を進めていくことになるのか、あるいは何らかの線引きをして住み分けていくことになるのかがちょっと気になるところです。

SNSというと登録済みのユーザによる招待がないと参加することができないという招待制を敷くクローズドなものが多いように思いますが、MySpaceの場合はオープンであることを特徴の一つとしており、誰でも自分から登録することですぐに利用できるようになります。招待制のメリットは既存ユーザから紹介を受けているということにより身元が保障されているというような安心感があるということにあったはずなのですが、実際のところは知らない人でも気前よくホイホイ招待してしまう人がいることもあって実質的に匿名のアカウントが多数存在し、そのメリットはほとんどただの思い込みになってしまっているのではないでしょうか。逆にMySpaceがmixiよりも荒れているかというとそういうわけでもなく大した違いはないようです。またMySpaceはオープンであるということにより、外部からの参照やリンクも可能というのもメリットといえるのではないでしょうか。

また、mixiを始めほとんどのSNSではページのデザインはお仕着せの決まり切ったものに統一されてしまっているものですが、MySpaceの場合はかなり自由度の高いデザインが可能で、ユーザによっては非常に個性的なページが構成されています。たとえばMySpaceでのプロモーションがきっかけでブレイクしたというLily Allenのページなどはかなり派手になっていて、これがSNSの中にあるのだということを忘れてしまいそうになります。また、Lilyのようなアーティストにプロモーションの場を提供しているというのもMySpaceの特徴の一つなのだそうです。こうしてみると他のSNSとはだいぶ違うようですが、ユーザ数から見るとこれが一般的なSNSの姿なのだと言った方がいいのでしょうか。

そういえば私もだいぶ前に登録したまま英語オンリーであるということが障害になって使い切れず忘れてしまっていたGoogleによるSNS、Orkutに先日アクセスしてみたところ、いつの間にか日本語化されていてかなり使いやすくなっていました。こちらは登録ユーザ数3000万人ということのようですが、せっかく日本語化したのならもうちょっと積極的にアピールされていてもいいのにと思ってしまいます。まあGoogleにしてみればあまり収益の上がりそうなサービスではないという判断で力が入っていないのかもしれませんが…

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