smc PENTAX-DA FISH-EYE 10-17mm F3.5-4.5ED (IF)もうこの歳になると誕生日もそれほど嬉しいものではなくなってきましたが、それでも「1年間無事に過ごすことができた」ということを振り返り、周囲の人に感謝する良い機会となっているように思います。またそれと同時に「1年間よく頑張った」と自分をねぎらう機会でもあり、他の人はくれないので自分にプレゼントと称して何か欲しいものを一つ買う、というのがここ数年の習慣となっています。

ということで来月誕生日を迎える私は「今欲しいものは何か」と考えてみたのですが、新しい携帯電話かiPod辺りかなあと思ってみたもののどうも今一つです。私はほとんど電話で喋ることもなく、メールもW-Zero3[es]を使っているので新しくて高い携帯電話を買う必要もありませんし、iPodも以前から欲しいとは思っているものの、今使っているRio Chibaでも音楽は聴けているので買ってもあまり生活が変化するとは思えません。やはりそれなりの金額のものであるなら生活に相応の彩りを加えるものであって欲しいのです。

と色々考えていたところ、以前から本当に欲しいと思っていたものがあったのを思い出しました。それを忘れてしまうなんて…と我ながら呆れてしまいますが、その欲しかったものというのは一昨年の12月の発表以来、ボーナスのたびに買おうかどうしようかと迷いつつ、家族への遠慮もあって見送ってしまっていたペンタックスの魚眼ズームレンズ、smc PENTAX-DA FISH-EYE 10-17mm F3.5-4.5ED (IF)なのです。結局思い出したところですぐに注文してしまったので、誕生日はまだだというのに手に入ってしまいました。

この製品はペンタックスとトキナーの共同開発によるもので、今はトキナーブランドでニコンとキヤノンのカメラ用にも発売されているのですが、当初はペンタックスブランドのみの発売となっていて、ペンタックスレンズのラインナップのユニークさの象徴的存在でもありました。これだけユニークで性能も悪くないレンズが5万円台という価格で買えるというのは非常に驚かされるもので、イロモノレンズであるにもかかわらず人気の1本となったのですが、当初月産数量がわずか200本ということもあって品薄となり、どこでもメーカー在庫待ちということになっていました。

魚眼レンズには大きく分けると「円周魚眼」というものと「対角魚眼」というものの2種類があって、前者は180度の映像が円形の画像として写るもので、後者は通常の長方形の画像の対角線が180度の画角となるものなのですが、このレンズは後者の「対角魚眼」です。円周魚眼の画像はかなり特異なものになるので用途も限られてしまうのではないかと思いますが、対角魚眼の場合は歪んだ画像をあえて面白い効果として使うことができる程度のものです。とはいえ人物写真を撮るのは失礼なほど歪んでしまうので、被写体はそれなりに限られてしまいます。

ということで早速撮ってみようと思ったのですが、天気が良くなかったということもあってろくな写真を撮ることができませんでした。それでも撮っていて非常に楽しい、遊べるレンズなのは間違いありません。凄いのは最短撮影距離0.14mということでなのですが、これにはレンズの長さも含まれるので、レンズ前面からは約25mmという超至近距離まで寄ることができてしまうのです。ここまでよれるとレンズで被写体にさわってしまうのではないかと心配になってしまうのですが、レンズには特殊コーティングが施されているものの保護用のフィルターなどは装着できないので注意が必要です。また魚眼でありながらズームであるというのも面白いところで、フレーミングに幅を持たせてくれます。

とりあえず「こんな感じ」というようなFlickrのセットを作ってみたので興味があれば覗いてみてください。今後もどんどん撮りまくっていきたいと思いますが、いい写真が撮れるようになるのは時間がかかるかもしれません。やはりこういうクセのあるレンズはセンスがないと使いこなすのは難しそうです。まあ、それがまた面白いのではありますが。

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