個人的には現実のMichaelの方が怖いような気もするのですが…
ひょっとしたら今の若者たちにはあまりピンとこないのかもしれませんが、”The King of Pop”ことMichael Jacksonと言えばあまりにも有名で、伝説的な存在となりつつあるスターです。最近でこそ結局冤罪であった性的虐待疑惑での裁判沙汰や、そのための裁判費用やそれに伴うイメージダウンなども原因に違いない経済的危機により自宅ネバーランドが競売に掛けられそうになっているなど、悪いニュースばかりが目に付くようになってしまっていますが、彼の音楽的才能と強烈なカリスマ性を否定する人はおそらく誰一人としていないでしょう。
さて、このMichaelを一躍スターダムに押し上げることとなったのは何といってもアルバムThrillerの驚異的なセールスでしょう。歴史上最も多くの売り上げを記録したレコード・CDということで全世界で1億400万枚もの売り上げを記録しているという恐ろしい作品ですが、今年はこのアルバムのリリースから25周年ということで、それを記念して最新デジタルリマスター、7曲のボーナストラックと30分の映像DVDという豪華な構成の期間限定のリミテッド・エディションと受注生産のリミテッド・デラックス・エディションという2種類の限定盤が発売されています。どちらもCDとDVDの内容は同じもののようなのですが、とりあえず私も聴いてみました。
SMJ(SME)(M) (2008/02/20)
ISBN/ASIN:B00122DUNE
SMJ(SME)(M) (2008/02/20)
ISBN/ASIN:B00122DUN4
このアルバムは「最もシングルカットされた作品が多いアルバム」でもあるということで耳慣れた曲が多く懐かしい感じも強いのですが、やはりThrillerという曲は凄い力を持った名曲であると再認識してしまいます。デジタルリマスターの効果がどれほどのものなのかはよくわかりませんが、今聴いても決して古くささは感じさせず、それでいて重厚なオーケストレーションは逆に最近の曲にはない作り込まれた重みのようなものを感じさせるものです。またこの曲は独立した映像作品としても評価できる長編のプロモーションビデオでも話題となりましたが、それがDVDの方で楽しめるというのも嬉しいところではないでしょうか。
ボーナストラックではwill.i.amやAkon、Fergie、Kanye Westといったそうそうたる面々とのコラボレーション曲が収められているのですが、そうそうたる面々とはいっても彼らにとってはMichaelとの共演などというのは夢にも見なかったものかもしれませんね。
また、ボーナストラックの初めにはThrillerの終盤にナレーションを入れているホラー俳優Vincent Priceがそのナレーションを録った際の音声が収録されているのですが、このナレーションはそれを聴いているだけでも「これぞホラー」と喝采したくなるような素晴らしい声です。これだけの魅力溢れる声を持つ俳優や声優というのは現代にもいるのでしょうか。私はこれだけを繰り返し何度も聴いてしまいましたが、こうしてCDに収録されているということは私だけがおかしいわけではないでしょうね。
このアルバム以外にも普段から80年代の曲を聴くことが多い私なのですが、やはりあの頃には今はない何かがあったと思うんですよね。それともそんな風に感じるのは単に若かったあの頃を懐かしむオヤジになってしまっただけなのでしょうか…?