U3MUSICJe m’appelle Kuma.

音楽はほとんど洋楽ばかり聴いている私が、いわゆるJ-Popの中で例外的に聴くのが宇多田ヒカルです。1999年に発売されて社会現象とも言える爆発的なヒットとなったアルバム「First Love」以来、日本の音楽シーンでの地位は不動のものと言えるのではないかと思いますが、今年でデビュー10年目だというのにまだ25歳という若さ…そんなまだまだこれから魅力が増していきそうなヒカルさんからニューアルバム「Heart Station」がリリースされました…というのは既にもう1ヶ月も前の話なのですが、これまで聴いてきてやはり一言言っておきたくなったのでここで取り上げることにしました。

HEART STATION
アーティスト:宇多田ヒカル
EMI MUSIC JAPAN(TO)(M) (2008/03/19)
ISBN/ASIN:B0012OR6YQ

1年9ヶ月ぶり、5枚目のアルバムとなる本作ですが、このアルバムでは作詞作曲だけでなく製作や編曲まで自ら関わっているというところがもうミュージシャンとしてもただ者ではないでしょう。まあ一体どこまで本人がやっているのかわからず、周囲の人間の助けもあるのかもしれませんが、深く追究してもあまり意味はないと思うので信じておくことにします。

このアルバムでは「以前より素直でシンプルな、ひねりや難解さの無い音や歌詞を意識して制作した」ということらしく、その通りにわかりやすい音楽になっているのではないかと思います。私自身は前作「Ultra Blue」が気に入っていたのでちょっと物足りなさも最初のうちは感じていましたが、聴き慣れると案外悪くもなく、これも素のヒカルさんなのかなと受け入れることができるようになりました。

タイトル曲の「Heart Station」と「Stay Gold」の両A面シングルがアルバムに先立ってリリースされ、ラジオでも盛んにオンエアされていましたが、この曲のシンプルでクリーンな音と暖かい歌詞はアルバム全体に共通しているのではないでしょうか。まあ、CDなのに「A面」とはこれ如何に、といった感じですが、気にしないことにしておきます。

あとはNHKの「みんなのうた」でも放送された「ぼくはくま」も収録されているので、次男はこれを一緒に歌って楽しんでいます。こんな童謡が一緒に入っていてもあまり違和感がないというのもこのアルバムだからこそかもしれません。今までの他のアルバムでは間違いなく浮いてしまっていたでしょう。

それにしても、デビュー当時は子供のうちにこんなに大儲けしてしまって人間としてダメになってしまうのではないかと思ったものですが、両親を始め周りの人がしっかりとしていたおかげかそんな心配も一切杞憂で済んだようです。毎日Message from Utada Hikaruを楽しみにしているのですが、全く「セレブ」っぽくない天然ぶりが私は大好きです。

ところで「First Love」で稼いだ分は一体どうしたのでしょうね。全世界では1000万枚以上の売り上げを記録しているそうですから、これだけで一生遊んで暮らせるはずですが、浮かれることもなくこうして音楽活動を続けていてくれるのは嬉しいことです。とはいえ、やはり欧米でのヒットは難しいでしょうから、無理はしないでほしいものです。