たこ焼き一家に一台あってもいいと思います。

同じ日本でも地方によって食文化の違いは結構大きいもので、他の地方の人にはにわかに信じがたいこともある地方では何ら疑問もなく定着していたりします。関東で生まれ育った私にとって、関西の常識として聞いてびっくりしたことで記憶にあるのは、「ごはんのおかずとしてお好み焼きを食べる」というのと「どの家にも必ずたこ焼き器(機)がある」ということです。

前者は小麦粉をおかずに米なんてどれだけ炭水化物が必要なのかという感じですが、後者については関東では見たことがなかったものだけに大げさに言っているだけとしか思えませんでした。しかし実際に関西にやってきて聞いてみると、本当に誰に聞いても「家にある」という答えしか返ってこないのです。たまに「うちにはない」と言う人がいても、よくよく聞いてみると一人暮らしだから一人寂しくたこ焼きなんて作らないからというだけで、「もちろん実家にはある」のでした。

そんなたこ焼きにしか使えないような機械が本当に必要なのか、たまに食べるだけなら店で買ってくればいいじゃないかと思っていたのでこれまで我が家にはなかったのですが、先日妻がテレビを見ながらポツリと「子供が喜ぶと思うからたこ焼き機買わない?」というようなことを言うのでした。その場ですぐにウェブで調べてみると安いものは千円台からあって、そんな値段なら面白半分で買ってみてもいいのではないかと思い、Amazonでも楽天でも一番人気だったYAMAZENたこ焼き器 (着脱プレート式) SOPX-1180という製品を購入することにしました。

2000円という値段なのでちゃんとできるのか心配だったり、8000円もするような商品とはどこが違うのかが気になったりもしましたが、逆に8000円もするものならきっと買わないので、2000円という値段は妥当なところなのかもしれません。実際に届いた製品を見てみると、電気製品としてはヒーター、スイッチ、サーモスタットとその間の配線だけが構成要素という実にシンプルなものですが、確かにたこ焼きを作るためにはこれだけあれば十分です。あとは肝心要の鉄板ですが、これが少々薄手なのが価格相応というところなのでしょう。熱容量の小ささは強力なヒーターでカバーというポリシーならそれでも可です。当然外装も値段なりにチープですが、飾っておくようなものでもなければ来客のもてなしに使うようなものでもないので問題ありません。

使い勝手の面では若干コードが短く、我が家の食卓では延長ケーブルが必要だったのが気になりましたが、それ以外の性能的にはヒーターも十分強力で、鉄板が薄い分予熱時間も短く5分で済むので、待たされ感はほとんどありません。焼き始めてからも不慣れな私が24個分の具材を入れている間に、始めの方で入れたものはもうひっくり返さないといけないような状態になっているので、「まだかな~」と言っているような暇もなくできあがってしまいました。

生地の配合は妻に任せたので私は焼くところだけだったのですが、思っていた以上に簡単に美味しくできて自分でも満足でした。何より焼きたてのアツアツをすぐに食べられるというのが買ってきたたこ焼きでは無理ですし、店頭で食べるにしても作り置きだったりすることが多く、目の前で焼き上がったものをすぐに食べられるというチャンスはなかなかないのではないでしょうか。

作ってみて意外だったのは、最初に油を引くときに、専用の油引きなどは持っていないのでボトルから直接垂らしていったのですが、これに失敗して結構ドバッと入ってしまったのに、逆にこれで表面が揚がったような状態にカリッと仕上がってくれたことです。まあ高カロリーになってしまうのでわざと多めに入れたりはしませんが、外で食べたときにカリッとしていたら油が多めなんだな、と思うことでしょう。