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Chef

いろいろな視点で楽しめました。

せっかくの三連休ながら雪も降って寒いのであまり出かける気にもなれず、家で映画でも観ようかとAmazon Prime Videoのおすすめで見つけたのが「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」という映画だったのですが、これは期待以上に楽しめる作品でした。すでに地上波テレビでも放映されたことがあるようなので観たという人も多いかもしれません。しかし、テレビではカットが多かったようですが、無駄なシーンは一つとして無かったように思うので、テレビで観て良かったという人でAmazon Primeに入っているなら観なおしてもいいかもしれません。

本作はJon Favreau製作、監督、脚本、主演を務めており、スタジオの意見はあったかもしれませんが、ほぼ彼の思い通りに作られた作品ということになるでしょう。この作品のテーマはその「映画」を「レストラン」に置き換えたようなものですが、雇われシェフにはいろいろ制約があってなかなかやりたい通りにはできない、そのもどかしさと同じようなものをJon本人も映画づくりで経験したのかもしれません。

また本作は家族の物語でもあります。仕事にかまけて子供に真剣に向き合っていないという人はこの作品を観て考えるところがあるでしょう。私はというと…仕事には対してはそれほどでもなく、かと言って子供とそれだけ深く接したかというとまた自信がありません。まあすでに下の子供も高校生になってしまっているので、時すでに遅し、でなければ良いのですが。

本作でJon演じる主人公のCarl Casperは著名フードブロガーRamsey Michelに酷評されたことに対して、TwitterのRamseyのアカウント宛にツイートしたのが炎上して破滅することになるのですが、こういう事にならないようなリテラシーも重要ですが、よく知らないものを不用意に扱わない慎重さも必要ですね。まあ、初めてのTwitterでブロガーに挑もうというのも所詮無茶な話です。一方、息子のPercyは各種SNSを完璧に使いこなして父親を助けることになるのですが、その一つであるVineはすでにサービス終了してしまっているというのも儚いものです。

なおJonは「アイアンマン」シリーズでHappy Hoganの役で出演もしていますが、シリーズの最初の2作「アイアンマン」と「アイアンマン2」では監督を務めており、「アイアンマン3」や「アベンジャーズ」シリーズでも製作に携わっており、現在のマーベル映画の人気は彼が作り上げたといっても過言でないのかもしれません。本作ではこれらの作品に出演しているRobert Downey Jr.やScarlett Johanssonという「アイアンマン」ファミリーも参加して華を添えています。

華を添えているといえば、本作でCarlが作る各種料理は本当に美味しそうで、私が気に入ったのはその影響も大きいかもしれません。私は美味しい食べ物を美味しそうに写真に撮ることが今一番の趣味と言えるような気がしているのですが、この映画を観ながら「食べたい!」よりも「写真を撮りたい!」と思ってしまったのはちょっと問題かもしれませんね。

スパイスカレー作りに挑戦

なかなか奥が深そうです。

アメリカに入る時はあちこちでバーガーばかり食べていたのに対し、最近はすっかりカレーにハマっているというのは「毎日がカレー」という記事で書きましたが、その後も勢いは衰えず、先日の旅行でもカレーばかり食べていました。これまでに様々な店に行ってきましたが、どれ一つとして同じ味のカレーはなく、その懐の深さ広さには何度も驚かされているところです。

しかしこれまでにいろいろ食べてきて、自分好みのカレーというものが徐々にわかってきたような気がします。その好みに近いカレーを出す店は幸い自宅近くにあるのですが、それでも「もう少しこうだったら」というところがあります。それならいっそのこと自分で作ってみるか…とはすぐには思えなかったのですが、ちょっと調べてみるとそれなりのものは案外簡単に作れそうです。もちろん店で出てくるレベルのものに到達するのはそう容易ではないでしょうが、家族で食べるだけなら試行錯誤しているうちにそれなりになるでしょう。

ということで手製カレー作りに挑戦してみることにしました。以前も「男のこだわりカレー」という記事でカレー作りについて書いたことがありますが、その時の味付けはあくまで市販のカレールーでした。しかし、私が好きなカレーは小麦粉を使わないサラサラのものなので、今度はスパイスからです。

料理の基本は兎にも角にもレシピに忠実に、だと思っていますが、今回参考にしたのはAmazonで購入した「カレーの基本」という本です。レシピ本ではないのですが、スパイスの基本的な知識から学べる非常に読みやすい本でした。

カレーの基本

¥ 596

(2016-05-06現在)

この本に従って最初に作ってみたのは「10分でできるチキンカレー」というものです。実際にはスパイスの計量や野菜の下準備の時間などは時間に含まれておらず、鍋を火にかけてから10分ということなのですが、いずれにしても長時間煮込む必要などはなく、簡単にできてしまいました。最も手間がかかって面倒だったのはスパイスを量って用意することでしたが、これは回数を重ねるうちにいろいろ工夫して早くできるようになりそうです。

使用するスパイスはクミンシード、ターメリック、カイエンペッパー、コリアンダー(粉末)の4種類のみです。これら4種を基本にスタートして、他のスパイスを足したり他のものと入れ替えたりしてアレンジしていくと良いとのことなので、まずはこの基本から始めています。私はクローブの香りが好きなのですが、それを単純に足すだけではバランスが取れないような気がするので、今回はそれも我慢です。

できあがった味の方は最初ぼやけたような感じでしたが、他のページに「完成したカレーを味見した時、いまいち味が決まらずぼやけていると感じた時は、塩・コショウを加えて味を整えてみよう。」とあったので、塩をちょっと振ってみると味が締まって良い感じになりました。また別のページには「味が薄いと感じたら、塩をひとつまみ加えて。味が薄いかどうか迷うときは、塩気が足りている証拠なので、そのままでOK」ともあり、意外なところで塩加減というのがカレーにとって重要な要素のようです。

また今日はキーマカレーを作ってみました。別のページに載っている少々作り方の異なるレシピで、材料やスパイスは先日のものと分量以外同じだったのですが、鶏肉を合挽肉に変えてキーマカレーにしてみたものです。こちらのレシピは簡単さに重きを置いていないので、タマネギをきつね色になるまで炒めたり、トマトの水分が飛ぶまで炒めたりと、ひたすら炒め続ける忍耐の必要な物でした。しかしその甲斐あって、今回は自分の好みに結構近いものになってくれました。簡単にすぐ食べられるというのも良いことですが、手間を掛けることでより美味しいものになるなら、趣味的に作っているだけの私はそちらを選びたいところです。

残念ながらこれらのカレーも妻は美味しいと言ってくれますが、子供たちには受けが悪く、ルーを使ったとろみのあるものの方が良いとのことです。こればかりは好みの問題でもあるので仕方ありませんが、どうせ私はたまに作るだけなので今後も私好みのカレーを追求させてもらいたいと思います。

大人の肉ドリル

かつてこんな美味しいステーキを食べたことがあっただろうか、いやない(反語)。

先日から、高校の編入試験のために帰国した長男と一緒に妻が一時帰国してしまい、次男と二人でしばらく過ごしていました。その間外食ばかりというわけにも行きませんので、私も普段はやらない料理なんぞをしなければならないわけですが、一番手軽で作り溜めできるのはやはり煮込み料理です。こういう時に私がよくやるのは「なんちゃってポトフ」なのですが、そればっかりでは飽きるので、今回は「なんちゃってラタトゥイユ」と「チキンヌードルスープのつもりだった何か」というのを作ってみました。前者は鶏肉を炒めた後で野菜とダイストマトとトマトピューレの缶詰を入れ、圧力鍋で煮込むだけです。後者は前の日にスーパーで買ってきて食べた鳥の丸焼きの胸肉がパサパサで美味しくないので、それをまた野菜と一緒に煮込んで後からパスタを入れただけの簡単料理です。どちらもブイヨンとローリエさえ入れればそれなりの味になるので失敗はありません。

でもやはり煮込み料理ばかりでは次男も可哀想なので何度かは外食に連れて行きましたが、一度ステーキでも焼いてみようとスーパーで魔が差してというか間違えて1lbで$20というちょっと高い肉を買ってしまいました。日本でアンガスビーフのテンダーロインヒレなんてそんな値段では買えないでしょうが、アメリカでは肉の値段は鶏、豚、牛の順に高く日本と逆になっていますので、普通の安い肉なら1lbで$10もせずに買えるのです。しかし今回はしっかり値段を見ずに「美味しそう!」とカゴに入れてしまったのでした。

そんな調子ですから、ステーキを焼くなんていうのも初めてのことです。そんな状態で高い肉を無駄にしてしまうのではないかと心配になるかもしれませんが、実は今回は心強い味方がいるのです。それが「家で「肉食」を極める!肉バカ秘蔵レシピ 大人の肉ドリル」という本で、いかに肉をおいしく調理するかという点にこだわっており、ただのレシピ本とは一線を画するものとなっています。私は入手してからしばらく経っていましたが、これまで実践することなくイメージトレーニングに励んできており、今回が初めての挑戦となります。

大人の肉ドリル

ステーキの焼き方の基本とは、表面にはしっかり焼き目を付けつつ、内側は中心まで60℃の熱を入れるという低温調理です。それ以上の温度にしてしまうと肉が固くなってしまうのですが、厚みのある肉の外側の温度を上げすぎずに内側まで熱を入れるにはどうしたらよいかというと、フライパンの上で裏表10秒ずつ焼いたら2分休ませ、表面の熱が内側に伝わって温度が下がったらまた10秒ずつ焼いては休ませる、というのを適度な硬さになるまで繰り返すというのです。その適度な硬さの目安として、手でOKサインを作った時の親指の付け根の固さというのが示されており、親指と人差指の時がレア、親指と中指がミディアムレア、親指と中指がミディアム、とされていますが、正直なところ微妙すぎてよくわかりません。これはもう「エイヤ!」で行くしかなかろうと腹をくくりました。

ということで実践に移ることにしましたが、10秒という時間にはそれほど神経質になることもなかろうと適当に数えて焼いていましたが、10秒×2+2分を何セットか繰り返しても全く埒が明きません。この調子ではいったい何十セット繰り返さなければならないのだろうという感じでしたが、よくよく考えれば写真に写っている肉は私が焼いているものと比べるとはるかに薄く半分以下のものです。厚さが倍なら繰り返し回数は倍では済まないのだろうと気づき、途中から30秒ほど焼くことにしたところ進展が見られ、結局10回ほど繰り返したところで火が通ったような気がしたので満を持してテーブルに移して食べてみることにしました。

恐る恐るナイフを入れてみると、それはそれは見事なピンク色のミディアムでした。そして口に運んでみると、これまでに食べたことのない柔らかさの素晴らしい焼け具合でした。ステーキソースなどは付けずに、焼く前に擦り込んだ少量の塩と胡椒だけで食べましたが、肉の味だけで十分に行けます。手前味噌になりますが、誇張抜きにこれまでに食べたどのステーキ店のものよりも柔らかく美味しいステーキです。1人前$10の材料費でも手間さえかければこれほどのものが食べられるのかと感動しました。これはぜひ妻にも味あわせたいと思っていますが、今回はちょっといい肉だったからこれだけ美味しかったのかとも考えられますので、次回はもう少し安い肉で試してみたいとも思っています。きっと少々安い肉でも美味しくはできるのでしょうが、その度合がやはり違うのでしょうね。高いのには理由があるはずです。

今回のステーキは大成功でしたが、この本の最初に載っているのはステーキなものの、牛肉以外の肉についても、ただ焼くだけではない料理も色々載っています。唐揚げなどもこの本の通りに揚げたらどれだけ美味しい物ができるのかと期待してしまいますが、ぜひとも試してみたいものです。まあきっと揚げ物は妻にお願いすることになるでしょうが。