Spectre - Daniel Craig as James Bondやはりゴージャス。

先日もちょっと書きましたが、これまで話が持ち上がるたびに潰されてきたシネコンが、私がアメリカに行っている間に姫路にもついにできました。そのアースシネマズは姫路駅の直ぐ側にあるので、これまでわざわざ25km程も運転して通っていた不便さが一気に解消されることになり、またオープンしたてのきれいな映画館なので早く観に行きたいと思っていたのですが、これまではアメリカで観てきた作品が遅れて公開されているものばかりだったのでした。しかしここへ来てようやくその状況も解消されたので、満を持して観に行ってきました。

帰国後最初に、姫路に初めてできたシネコンで、先行上映の初日に観ることになったその作品は「007 スペクター」です。007シリーズの24作目、Daniel CraigによるJames Bondとしては4作目となる作品ですが、一足先に公開されている海外での評価・人気はとても高いようだったので非常に楽しみにしていたものです。

ひょっとすると、私が007シリーズで一番好きなのはあの有名なテーマ曲が流れるメインタイトルまでのオープニングのシーンかもしれません。今回はメキシコシティ死者の日のカーニバルを舞台にJames Bondが一仕事するのですが、このシーンでは4分に渡る長回しにより撮られており、華やかで独特な雰囲気のパレードとあいまって、とても印象的なものとなっています。この後も派手なアクションシーンが目白押しですが、終わってみても最も印象深いのが冒頭の場面でした。

James Bondといえば秘密兵器を搭載した「ボンドカー」も話題の一つです。過去のものでは「007 私を愛したスパイ」の潜水艇に変形するLotus Espritなどはかなり大掛かりなものでしたが、今回はAston Martin DB10という、この映画のために作られたコンセプトカーが使用されています。秘密兵器も取り付けられてはいましたが、取ってつけたようなスイッチなどいろいろ問題があり、大活躍とはいかずあっけなく終わります。しかしストーリーにとっては意味のあるシンボル的な存在となっており、これでよいのでしょう。もちろんこの車で派手なカーチェイスも繰り広げられますが、先日観た「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」のそれが凄すぎて、それを凌駕するものではありませんでした。
Spectre - Léa Seydoux as Madeleine Swann
もう一つ、James Bond作品に欠かせないものといえばいわゆる「ボンドガール」でしょうか。この作品ではLucia Sciarra役として出演したMonica Bellucciと、Dr. Madeleine Swannを演じたLéa Seydouxの二人がボンドガールということになっているようですが、ほんのチョイ役にすぎないMonicaを「ボンドガール」と呼ぶなんて「過去最高齢のボンドガール」と言って話題作りしたいだけというのが見え見えではないでしょうか。相変わらず綺麗ではありますが、さすがにオバサンですよね。まあ、あのチョイ役にあのMonica Bellucciが出てくるというのもちょっとした驚きではあったのですが。一方のLéaは正真正銘のボンドガールにふさわしい美しさと若さで、しっかり活躍してくれます。私は前作「007 スカイフォール」からMiss Moneypenny役のNaomie Harrisも好きなんですが。

ということで、この作品もやはりJames Bondシリーズ以外の何物でもありませんでしたが、成功を約束されているというより、約束させられている作品なので、製作者らは相当なプレッシャーと戦ってきたことでしょう。私には想像もできないものです。それが十分に労われると良いのですが。

なお、James Bondの長年の宿敵である悪の組織SPECTREというのはSpecial Executive for Counter-intelligence, Terrorism, Revenge and Extortionの頭字語ということですが、イギリスなので最後がRevenge and Exortionとなっているところがアメリカなら逆になっていたのでしょうね。