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Kingsman: The Golden Circle

愛すべきElton John。

約3年前にアメリカで「キングスマン」を観た時にはあれほど面白い作品だったのにまだ日本での公開も決まっていなかったのですが、その後半年以上経ってから公開されると日本でもそれなりの人気作となったようでした。そして今日、日本でも続編の「キングスマン: ゴールデン・サークル」が公開されましたが、アメリカでは昨年9月に公開されているので、およそ4ヶ月遅れとなったようです。やはり字幕や吹き替えを製作しなければならないので、若干遅れてしまうのは仕方ありませんね。

ということで正月早々ですが、公開初日の今日、また一人でこの作品を観に行ってきました。

今回はKingsmanの面々がアメリカのStatesmanという謎の組織の協力を得て敵に挑む、というのは予告でも明らかになっていることなので問題ないと思いますが、実はなかなかひねりが効いていて面白い作品になっています。随所にコミカルな楽しさが散りばめられていてとても明るいのに、前回より抑えられたとはいえややグロテスクで悪趣味な描写もあるのは相変わらずです。ちなみに本作もアメリカではレイティングがRなのに、日本ではPG12というのは随分差があります。まあ、f**kを連発していましたので、それが大きく影響しているのかもしれません。

中心的なキャストは前作から引き継がれているのですが、StatesmanのGinger AleにHalle Berry、悪役のPoppyにJulianne Mooreが出ている辺りが注目でしょうか。しかしそれ以上に驚くのが、Elton Johnです。私はまったく予期していなかったので本人なのかどうか信じられなかったのですが、あれだけの演技をしてしまうというのはさすがのエンターテイナーだと感心してしまいました。

なお、私はセリフも役者の演技の重要な要素だと思っているので今回も字幕版で見たのですが、”HKLP“という略語に対する字幕が何か別の英字4文字になっていて混乱してしまいました。セリフでははっきり「HKLP」と発音しているのに、それを無理やり別の物に変える必要はないのではないでしょうか。何となっていたかは覚えられなかったのですが、HKLPの意味を説明する時のセリフにアルファベットが振られていたように思うので、日本語のローマ字の頭文字にしたのでしょうか。

それはともかく、本作は前作から引き継いでいる部分が結構あるので、前作を知っていた方が楽しめることは間違いないと思います。しかし私もだいぶ忘れてしまっていて、見ていて「ああそんなこともあったな」という感じだったのですが、このあと前作を借りてきて復習しようかと思っています。これから見るという人には、ぜひ前作を先に観ておくことをお薦めしたいです。

Atomic Blonde

映像も音楽も何もかも。

いわゆる東西陣営のいがみ合いにより国家が2つに分断されている、と言うと今では南北朝鮮を思い浮かべるかと思いますが、かつては東西に分断されていたドイツがその代表でした。さらにドイツがややこしいのは分断前の首都だったベルリンは当時の東ドイツ領内にありながら、ベルリン自体も東西に分けられ分割統治されていたということで、東側からの人口流出を食い止めるためにその境界に東ドイツが築いたのがベルリンの壁です。

このベルリンの壁は1961年から1989年に崩壊するまでの30年弱に渡って東西の行き来を阻んでいたわけですが、ちょうど今北朝鮮からの「脱北」が命懸けで行われているように、当時の東から西への脱出は逮捕、射殺、落下、溺死の危険を伴ったもので、運のいい一部の人だけが逃れることができたのでした。私はまだベルリンに行ったことはありませんが、当時イギリスに住んでいたことがあり、(西)ドイツも何度か訪れていたため、比較的肌に近いところでこの緊張感に触れていたものです。そしてこの壁が崩壊した1989年、日本でこのニュースを聞いた時には鳥肌の立つ思いだったことを今でも覚えています。

ということで前置きが長くなりましたが、公開初日の昨日観た映画「アトミック・ブロンド」はこの事件の直前のベルリンを舞台とした映画です。といっても壁の崩壊そのものとは直接関係なく、冷戦下のベルリンで暗躍する東西のスパイの戦いを描いたフィクションで、Antony JohnstonとSam HartによるThe Coldest Cityというグラフィックノベルを原作としたものです。

The Coldest City

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主役はMI6のエリートエージェントであるLorraine Broughtonですが、それを演じているのはCharlize Theronで、このLorraineが美しくカッコよく、最高にクールです。本作のレーティングは日本ではR15となっている通り、血しぶき飛ぶバイオレンスだけでなくちょっとエロティックなシーンもありますが、そうでないシーンでもかなりセクシーです。

そして本作が素晴らしかったのはストーリー、キャスト、アクションだけではなく、時代背景とそれに合わせた音楽もです。BGMにはこの80年代後半に流行っていたヨーロッパの音楽が使われていて、当時よく聴いていた私はノリノリで観ることができました。99 Luftballons、Cities in Dust、The Politics of Dancing、Father Figure、Under Pressureなど、とても懐かしい曲もあったので、帰宅後迷わずサウンドトラックを購入してしまいました。

Ost: Atomic Blonde

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ところで少々ネタバレになりますが、本人がカメオ出演している「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー: リミックス」その他、最近David Hasselhoffの名前を耳にする機会が多いような気がするのですが、何なのでしょうか。実はベルリンの壁崩壊にまつわるエピソードがあるなんていうことを私は知りませんでしたが、そんな小ネタまで仕込まれています。

ということでこの映画を観て、北朝鮮も突然崩壊して一気に統一が果たされる、ということになるかもしれないし、あるいは韓国の方がということも無いとは言えないかもしれない、なんてことを考えてしまいました。当時もドイツがいつまであの体制かなんていうことはわかりませんでしたし、どうしたら冷戦が終わるのかなんていうことは実際にそうなってみるまでわかりませんでしたからね。

Spectre

やはりゴージャス。

先日もちょっと書きましたが、これまで話が持ち上がるたびに潰されてきたシネコンが、私がアメリカに行っている間に姫路にもついにできました。そのアースシネマズは姫路駅の直ぐ側にあるので、これまでわざわざ25km程も運転して通っていた不便さが一気に解消されることになり、またオープンしたてのきれいな映画館なので早く観に行きたいと思っていたのですが、これまではアメリカで観てきた作品が遅れて公開されているものばかりだったのでした。しかしここへ来てようやくその状況も解消されたので、満を持して観に行ってきました。

帰国後最初に、姫路に初めてできたシネコンで、先行上映の初日に観ることになったその作品は「007 スペクター」です。007シリーズの24作目、Daniel CraigによるJames Bondとしては4作目となる作品ですが、一足先に公開されている海外での評価・人気はとても高いようだったので非常に楽しみにしていたものです。

ひょっとすると、私が007シリーズで一番好きなのはあの有名なテーマ曲が流れるメインタイトルまでのオープニングのシーンかもしれません。今回はメキシコシティの死者の日のカーニバルを舞台にJames Bondが一仕事するのですが、このシーンでは4分に渡る長回しにより撮られており、華やかで独特な雰囲気のパレードとあいまって、とても印象的なものとなっています。この後も派手なアクションシーンが目白押しですが、終わってみても最も印象深いのが冒頭の場面でした。

James Bondといえば秘密兵器を搭載した「ボンドカー」も話題の一つです。過去のものでは「007 私を愛したスパイ」の潜水艇に変形するLotus Espritなどはかなり大掛かりなものでしたが、今回はAston Martin DB10という、この映画のために作られたコンセプトカーが使用されています。秘密兵器も取り付けられてはいましたが、取ってつけたようなスイッチなどいろいろ問題があり、大活躍とはいかずあっけなく終わります。しかしストーリーにとっては意味のあるシンボル的な存在となっており、これでよいのでしょう。もちろんこの車で派手なカーチェイスも繰り広げられますが、先日観た「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」のそれが凄すぎて、それを凌駕するものではありませんでした。

もう一つ、James Bond作品に欠かせないものといえばいわゆる「ボンドガール」でしょうか。この作品ではLucia Sciarra役として出演したMonica Bellucciと、Dr. Madeleine Swannを演じたLéa Seydouxの二人がボンドガールということになっているようですが、ほんのチョイ役にすぎないMonicaを「ボンドガール」と呼ぶなんて「過去最高齢のボンドガール」と言って話題作りしたいだけというのが見え見えではないでしょうか。相変わらず綺麗ではありますが、さすがにオバサンですよね。まあ、あのチョイ役にあのMonica Bellucciが出てくるというのもちょっとした驚きではあったのですが。一方のLéaは正真正銘のボンドガールにふさわしい美しさと若さで、しっかり活躍してくれます。私は前作「007 スカイフォール」からMiss Moneypenny役のNaomie Harrisも好きなんですが。

ということで、この作品もやはりJames Bondシリーズ以外の何物でもありませんでしたが、成功を約束されているというより、約束させられている作品なので、製作者らは相当なプレッシャーと戦ってきたことでしょう。私には想像もできないものです。それが十分に労われると良いのですが。

なお、James Bondの長年の宿敵である悪の組織SPECTREというのはSpecial Executive for Counter-intelligence, Terrorism, Revenge and Extortionの頭字語ということですが、イギリスなので最後がRevenge and Exortionとなっているところがアメリカなら逆になっていたのでしょうね。