Jobs - Jobs with Wozniakどこまで事実なのかは…

Appleの創業者で元CEOのSteve Jobs亡くなってから、いつの間にか4年も経ってしまいました。未だに新製品が発表されるたびに「ジョブズがいたら〜」という人がいますが、いい加減いつまでもすがっているべきではないでしょう。

最後の数年のWWDCなどでのプレゼンは欠かさず見ていたので、私にとっては偉大なプレゼンターという感じですが、死後まもなく発売された本人公認の伝記のおかげで彼についてはアップルファンでなくともよく知られているのではないでしょうか。また、この伝記をベースにしたりしなかったり、いくつかの伝記映画も製作されていて、その名も「スティーブ・ジョブズ」という作品はちょうど明日から公開されることになっています。おそらく私もこの作品は観に行くと思うのですが、その前にあまり評判の良くない2013年版「スティーブ・ジョブズ」を観てみました。

スティーブ・ジョブズ [Blu-ray]
スティーブ・ジョブズ [Blu-ray]

¥ 3,926

5つ星のうち3.3

(2016-02-11現在)

主役のSteve Jobsを演じているのはAshton Kutcherで、彼の役作りは頑張っていて、喋り方などもイメージ通りで、特に静止画で見ると悪くないと思うのですが、どうも歩き方が不自然で気になってしまいます。必要以上に猫背になっているのが良くないのかもしれません。私にはあまりそういう印象はないのですが、Jobsってそんなに猫背だったでしょうか。

一方、もう一人のSteve、WozJosh Gadが演じていますが、こちらはさらにもう一歩です。束の間ながら実際に本人に会うことが出来たせいもあると思いますが、本物の人の良さそうなところが演じきれていないように感じました。この作品にとってもこれは大事なところなのではないかと思います。

物語として描かれているのは冒頭のiPod発表時の様子のほかは学生時代から初代Macintosh発売後に会社を追われるまでと、NeXTと共に返り咲くところのみで、エポックメイキングな最初のiMacJony Iveにまつわるエピソードはあまり触れられておらず、物足りないように感じるのはそのせいなのだと思います。Iveには存在感を感じさせながら、深掘りしないというのはどういうことなのかという感じです。

しかしどうもJobsの身勝手さや取締役会に翻弄された様子などに力点が置かれていたようで、結局のところみんなが見たいJobsの映画ではなかったということなのだと思います。明日公開の「スティーブ・ジョブズ」の方は公認の伝記を映画化したものということなので、おそらくこちらは多くの人に支持されるのではないでしょうか。

ちなみにこの作品、今も養母のMarilyn Jobsが住むLos Altosの生家で実際にロケを行ったようですので、少なくともそのシーンの映像は事実にかなり近いということができるかもしれません。