ターゲットは幅広く。
Michael Bay監督によってトランスフォーマーの世界が実写映画化されて、その変形シーンのかっこよさに私もしびれてしまったのは2007年、かれこれ12年も前のことです。当時最新のCG技術を駆使してリアルな姿のトランスフォーマーたちが沢山のパーツを複雑に動かしながら変形する映像は本当に驚異的なものでした。しかし人間の慣れというのは恐ろしいもので、後続のシリーズ作ではもっとリアルで複雑な動きを見せているにもかかわらず、それが当たり前のようにしか感じられないのだから作る側は本当に大変です。まあ、いかに自然に見せるかというのも腕の見せ所ということはあると思いますが、張り合いがないのはかわいそうです。
さて、そのトランスフォーマーシリーズのスピンオフ作であり前日譚でもある「バンブルビー」が先日公開され、なかなか高い評価を得ているようだったので私も期待してみてきましたが、これはたしかになかなかの作品だったと思います。本作はトランスフォーマーのオートボットたちが地球にやってくる前、サイバトロン星でディセプティコンと激しい戦いを繰り広げているところから始まり、先遣隊としてバンブルビーが単身地球に降り立って物語が進展します。この話の中で、どうして彼らが地球に来ることになったのか、バンブルビーが声を失ったのはなぜか、バンブルビーの名前の由来、などが明らかになります。サイバトロン星でも地球の乗り物の姿をしているのは謎ですが、それは映像作品としての都合上仕方がないでしょう。
バンブルビーが地球に到着したのは1987年、場所はカリフォルニアということになっており、80年代のサンフランシスコなどの風景が描かれています。そして、BGMなどには80年代の音楽が多用されており、またしてもおっさんホイホイの様相を呈しています。サントラにもThe Smiths、Howard Jones、Bon Jovi、Duran Duran、a-ha、などなど往年の人気グループが目白押しといった状態です。つい先日の「キャプテン・マーベル」も音楽で楽しませてくれましたが、今度はさらに8年さかのぼり、まさに私が学生時代に聞いていた曲ばかりでとても懐かしくなりました。当時の私は本作の主人公Charlieとちょうど同じくらいの年齢だったので、そう思うと親近感が湧いてしまったりもしましたが、それは錯覚ですね。
そのCharlieを演じているのはHailee Steinfeldですが、80年代という舞台に合わせたファッションになっているので落ち着いた感じで、とても可愛らしいです。Haileeの実年齢は22歳なので役柄よりちょっと上になりますが、それほど違和感はないのではないでしょうか。なお、歌手としても活躍している彼女なので本作の主題曲も歌っていますが、映画の雰囲気にはちょっと…