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Transformers: The Last Knight

主役は人間。

映画「トランスフォーマー」シリーズは私の次男が小さい頃から好きなのですが、最初の作品「トランスフォーマー」が公開されたのは2007年ということなので今からちょうど10年前ということになります。その時次男はまだ5歳だったということになりますが、劇場に連れて行って一緒に観たところ「かっこいい~」と気に入ったようです。確かに1作目はトランスフォーマーたちの変形シーンが当時とても斬新で、私にも非常にかっこよく見えました。

それから10年経ち次男も中学3年生となりましたが今でも好きなようで、「トランスフォーマーを一緒に観に行くか」と声を掛けると「行きたい」とのことだったので、この週末公開されたシリーズ最新作「トランスフォーマー/最後の騎士王」を次男と二人で観てきました。これまでの私の印象では第一作が一番シンプルにトランスフォーマーたちをかっこよく描いていて、二作目三作目と進むごとにストーリーも演出も派手で複雑になってきて、映像の技術的にも進んでいるのですが、単純な痛快さが無くなってきてしまったように感じていました。果たして今作ではどうだったでしょうか。

人間の主人公は前作でMark Wahlbergに交代しましたが、彼の演技はとても良かったのでこれは私にとって嬉しいことでした。また、Josh Duhamelが復帰していますが、ちょっと見ない間に若干太って老け込んでしまったようで、以前のような精悍さは見られなくなってしまったのが残念です。ちなみにJoshの奥さんはBlack Eyed PeasのFergieでしたが、そのFergieのウェブサイトにある写真に写っているJoshの方が映画よりもシュッとしているような気がします。そして、John Turturroもまた相変わらず変な役柄で復帰しています。

さて、作品全体としてはどうだったかというと、やはりやや話を詰め込みすぎな印象は否めません。なにしろアーサー王伝説や第二次世界大戦など、古代から現在に至るまでの間のトランスフォーマーたちと人間との関わりに加え、トランスフォーマーたちの故郷であるサイバトロン星まで話に絡んできているので、149分という上映時間でも語り尽くせていないようなところがあります。それだけ盛り沢山な内容で退屈するようなことはないのですが、もう少し落ち着いて観させてほしいという感じでしょうか。決してつまらなかったわけではありません。

また、Optimus Primeが思ったよりもあっけないというのも感想の一つです。もう少し粘るのかと思っていましたが、これ以上はネタバレになるので黙っておきます。もう一つ言えば、変形シーンをもっと見たいというのもあって、その場でゆっくり変形してくれるようなシーンがないので第一作にあったような感動がなくなってしまっているのが残念です。ただ、特にBumblebeeが新しい変形パターンを幾つか見せてくれるのは楽しめました。

ところで、トランスフォーマーシリーズではこれまでに何度もデトロイトでのロケが行われてきて、前作では私もダウンタウンの空き地に組まれた撮影セットを目撃しているのですが、今作でも多くのシーンがデトロイトで撮影されているようです。そして、その見返りとして2100万ドルの補助金がミシガン州から与えられているということで、それに見合うだけの雇用や経済への影響があるということなのでしょうが、それだけ映画製作というものが巨大な産業であるということですね。

Transformers: Age of Extinction

Dinobotsの知能は爬虫類並み?

どうして原題とは異なる邦題をわざわざ付けるのか相変わらず分かりませんが、「トランスフォーマー/ロスト・エイジ」と名付けられた映画版トランスフォーマーシリーズの最新作を観に行ってきました。この作品はこれまですべて次男と観ているので今回も観たいと言われていましたが、今まだ日本にいる次男が帰ってくるのを待っているとIMAX 3Dでの上映が終わってしまうので、もう一度行くからと言って先に一人で観て来たのでした。

私自身もシリーズ最初の「トランスフォーマー」を観て変形(トランスフォーム)シーンのカッコ良さに魅せられて以来、欠かさず当然のように観ているのですが、残念ながら第一作以降は回を追うごとに風呂敷を広げすぎているような感じになっていました。また、今作は映画批評サイトRotten TomatoesのTomatometerが17%と酷いことになっており、この数字は観るのを躊躇するレベルだったのですが、実際観てみるとそこまで酷いものではありませんでした。

これまでの三作ではヒロインが交代したほかは主要キャストはほぼ一貫していましたが、今回はそれが一新されています。元々三部作の予定だったために契約が完了したということなのでしょうが、新三部作への仕切り直しとも言えるのかもしれません。主演はちょっと年齢を上げてMark Wahlbergがシングルファーザーの発明家役で、ヒロインはその娘役でNicola Peltzとなっています。Markは主演アクション映画も多々あり出てきた途端に彼が主役なのだとわかりますが、Nicolaの方はいかにも監督のMichael Bayが好きそうなヒロインですね。

また、今回はトランスフォーマー達も大きく変わっています。中心的なOptimus PrimeとBumblebeeは健在ですが、ベースとなっている車両もロボット形態の姿も大きく変わっています。OptimusはこれまでPeterbilt 379というモデルがベースでしたが、今回は最初にMarmon 97というキャブオーバータイプで登場し、その後Western Star 4900というボンネットタイプにスキャンし直します。この手の大型トラクターは日本ではまず見ることがありませんが、アメリカでは高速道路などで頻繁にお目にかかり馴染み深いものです。ちなみに、Western StarというのはFreightlinerと共にドイツのDaimler傘下にある、北米のトラックメーカーです。一方Bumblebeeの方は車両形態ではChevrolet Camaroであることに変わりはないのですが、最初は1967年式Camaro SSの改造車、その後2014年のCamaro Conceptへと変わります。またロボット形態の時はだいぶ引き締まった形となり、身軽な印象になりました。

この他のトランスフォーマー達も人間のキャストと同様ほぼ一新されました。AutobotsにはHound、Crosshairs、Driftが加わりましたが、このBugatti Veyronに変形するDriftの声はまた渡辺謙が演じています。またこの他は恐竜に変形するDinobotsや人間に作られたDecepticons、どちらにも属さない賞金稼ぎのLockdownなど様々なトランスフォーマーが登場します。

といったところでお分かりかもしれませんが、全体的に話が散らかりすぎな印象です。165分もある映画なのにのんびりしたシーンがまったくないのはそれはそれで大したものだと思いますが、いくらなんでも詰め込み過ぎではないでしょうか。新三部作の最初の作品ということで導入部に時間がかかってしまうのはわかりますが、最初のシーンが何を意味していたのかはだいぶ時間が立ってからでないとわかりませんし、メインテーマが何だったのかは今でも確証が持てません。もう一つ残念なのはAutobotsのカッコいい変形シーンがあまり見られず、その代わりに人造トランスフォーマーの一旦粒子状になってから再構築される変形のシーンが多くなってしまっていることです。これでは全く魅力がないのがわからないのでしょうか。とはいえ、娯楽大作として気楽に見る分にはつまらないということはないかと思います。

なお、この作品の撮影の一部は私が今いるデトロイトで昨年夏に行われており、香港での戦闘シーンはデトロイトのダウンタウンで、高速道路でのカーチェイスと戦闘のシーンはGMのテストコースで撮影されたものです。当然それとわからないようにセットが作られて撮影されているのですが、私にはそれぞれはっきりと分かってしまいました。特にダウンタウンで撮影が行われている時に(それを知っていて)出張者を連れて行ってPeople Moverからセットを見ているのですが、さすが大作映画だけあって相当大掛かりなものでした。ちなみに香港のシーンで走っている新交通システムがそのPeople Moverです。また、テストコースでの撮影はちょうど一年前の今、独立記念日の祝日でGMが一斉休暇に入っている間にひっそりと行われたので、そこで働いている人たちも気付かなかったようです。

Robocop (2014)

本場で観ました。

デトロイトというとおそらく誰もが思い浮かべるのが全米一の凶悪犯罪都市というイメージではないでしょうか。指標の取り方にもよるものの必ずしも全米最悪というわけではないのですが、こういう印象を決定的にしてしまった原因の一つは1987年の映画「ロボコップ」ではないでしょうか。警察も腐敗しきって荒廃した近未来のデトロイトを舞台に、犯罪組織に惨殺された警官がロボット警官として蘇り、やがて復讐を遂げるというストーリーですが、高校生だった私はこの映画を観て、SFとしての設定の秀逸さなどに鳥肌が立つほど興奮したのを憶えています。

そして今私はデトロイト近郊の治安の良い地域に住んでいるのですが、これまでに何度かデトロイトにロボコップの銅像を建てようという計画が持ち上がったと聞きました。しかし、ロボコップといえばデトロイトのイメージを地に落とした、負の象徴のような存在ですから、そんなにうまくいくわけもなく、未だに実現しないままです。そんな中で、ロボコップのリメイクの製作が進んでいるという情報があり、それが楽しみなようなまた悲しいようなと思いながら待っていたのですが、ついに先週公開されたので、早速そのリメイク版「ロボコップ」を観に行ってきました。

オリジナル版はレーティングがRとなっていたこともあってかなり残虐なシーンがあったのですが、今回はPG-13となったので直接的な暴力描写はなくなりました。主人公の警官Alex Murphyが殺されるシーンもオリジナルでは銃でなぶり殺しにされる惨いものでしたが、今回は爆弾の一撃です。こういった違いによって若年層にも見せることが出来る作品にはなりましたが、その分全体的に軽い印象になってしまったのは否めません。

一方、低予算映画としてストップモーションなどアナログな技法で作られたオリジナル版に対し、その十倍の予算と最新のCG技術などを駆使して作られた今作では映像として非常に洗練された物になりました。特に顕著なのはED-209の迫力あるスムーズな動きでしょう。いまどきの映画としては特別なものではありませんが、リメイクの価値はここに見出すこともできるのではないでしょうか。

オリジナルの評価が高くなければそもそもリメイクしようということにもならないわけですが、そのリメイク版がオリジナル版の評価を越えるというのはまたなかなか難しいものだと思います。本作も予想していたよりは遥かに良かったがオリジナルを超えるほどではない、というような評価がされてしまっているようですが、私としても非常に楽しむことはできたものの新しさはないので大きな感動があったというわけでもありません。ただ、オリジナルを観ていない人であれば純粋に楽しめるのは確かだと思います。

なお、劇中でロボコップやED-209を作っていたOmnicorpの本社ビルはGM本社ビルRenaissance Centerの南西に並んで、イサム・ノグチの作品であるHorace E. Dodge and Son Memorial Fountainという噴水のあるPhilip A. Hart Plazaという公園を潰して建てられたようです。確かにデトロイトではここが一番見栄えのする場所でしょうね。