先月、PanasonicのカメラLUMIX DC-S9の宣伝に使われていた写真がShutterstockなどのストックフォトだったということで謝罪する事態になりました。

これについて後日、「「LUMIX S9」炎上を、宣伝広告の裏側から考える 見えてきた世間との認識の“ズレ”」という解説記事が出てきたのですが、これは筆者のライターとしての立場からの説明で、ストックフォトを使ったというのはいただけないが、ウェブサイトの制作とカメラの開発のタイミングから実機の写真を使えないのは仕方のないことだ、と言っているように私は捉えました。

しかし、消費者としての立場から見れば、その製品を購入すればウェブサイトに載っているような写真が取れるものと考えるのは尤もなことです。カメラではありませんがエンジニアとして製品開発に携わっている私としては、開発中のサンプルで撮影した写真を使うのが本来あるべき形で、それが間に合わないというなら発表時期の方を遅らせるべきであるように思います。

このような考え方は商売を理解していないナイーブで浅はかなものだと言われるかもしれませんが、多くの人が似たように考えているからこそ今回のように「炎上」したのではないでしょうか。ストックフォトを使っていたということについてはむしろ大した問題ではなく、バレるきっかけになっただけのことであって、たとえば同じシリーズの上位機種を使って、その機種ではどう頑張っても撮れないような写真を使っていれば、それも同じようにダメなのだと思ってほしいものです。

私もPanasonicに責任があるとまで言うつもりはありませんが、カメラ業界全体として、またマスメディアも含めて、認識を改めて欲しいものだと思っています。