先日、ウォーキング中に最近聞き始めた「夜から映画ラジオ」というポッドキャストを聞いていたのですが、その「Vol.65 人生はループの如し 「リバー、流れないでよ」」という回で映画「リバー、流れないでよ」というのが紹介されていました。このポッドキャストで語られているのぶをさんと同様、私もあまり邦画は観ないのですが、この作品はちょっと面白そうに聞こえたので観てみました。

気になったポイントはこの作品がタイムループものだということです。ループものの映画といえば「恋はデジャ・ブ」や私が大好きな「オール・ユー・ニード・イズ・キル」、またちょっと前に観た「明日への地図を探して」というのが私がこれまでに観たものですが、今回観た作品が特徴的なのはループのサイクルがわずか2分間ととても短いことと、登場人物全員がループした記憶を持っているということです。よくあるループものでは主人公だけがループしていることを認識している設定となっているので、そこがちょっと面白いところです。

舞台となっているのが京都・貴船だというのもちょっといいです。物語はすべてこの貴船だけで描かれており、外の世界は一切映像に出てきません。登場人物らは貴船神社の目の前にある料理旅館ふじやの従業員と宿泊客という設定になっていて、非常に閉じた世界での物語となっていますが、なんとなく風情があるのが貴船という場所のおかげでしょうか。

この作品はSFというよりは完全にコメディで、この2分間のループの中で繰り広げられるドタバタを楽しむものであって、どういう理由でループすることになってしまったのかとか、どうやって解決するのかというところはほとんどどうでもいいところかと思います。だいぶしょーもない感じで解決するので、そこにはあまり期待しないほうがいいでしょうが、それまでの会話などがいちいちおかしいです。

だいぶ低予算で撮られているのではないかという感じもしますが、86分という短めの上映時間の中でも2分間のループなのでループ回数はなかなかのものです。その間に天候も変わるのですが、それもふわっとした説明でかわされていて、うまく誤魔化しているなという感じですが、まあそういう細かいところにこだわる映画ではないでしょう。肩の力を抜いて楽しむといいのではないでしょうか。