最近何回か耳にすることがあって、設定については覚えているもののどういうストーリーだったかをすっかり忘れてしまった映画「マイノリティ・リポート」を改めて観てみました。以前観たのはこのブログを始めたばかりの2003年と20年以上も前のことだったので、憶えていないのも仕方ないでしょう。

内容については改めて紹介するまでもないと思いますが、「犯罪、主に殺人を犯すことが予言された人を未然に逮捕する」という社会の話で、「予言」ないし「予知」というのがSci-Fiかファンタジーかと感じるところですが、同じようなことをいわゆるAIでやるというのはちょっと道を踏み外したらやってしまいそうで、この映画やPhilip K. Dickの原作が作られた時代よりも現実のほうが近づいてしまっているのではないかと思います。

この映画の世界にしろ、現実にAIでやるにしろ、逮捕までいかずに未然に防ぐというところまでであればまだいいのではないかと思われますが、それもプライバシーの問題があるので非現実的でしょう。警察その他の国家権力が完全に信頼できるなら問題ないはずなのですが、実際には信用しきれないというか、100%完璧というのはありえないことですね。

なお、「マイノリティ・リポート」といえばTom Cruise演じるJohn Andertonが操作するパネルのUIが有名ですが、しかし改めて見るとそのUIそのものは未来的ではあるものの、透明のフォログラフィックメモリのような物理デバイスにデータを入れても移動させているところは、インターネットが生活にすっかり入り込んでいる現代から見るとちょっと古臭く感じてしまうようになりました。きっと現代なら電波で飛ばしているところでしょうからね。それとも秘匿性の高いデータだからあえて、ということなのでしょうか。