日本では今年6月に公開されて話題になっていたものの、私の地元では上映されなかったので観ていなかった映画「チャレンジャーズ」がすでにAmazon Prime Videoで配信されているのを見つけたので、早速観てみました。本作は老舗のハリウッド映画スタジオであるMGMが製作している映画ですが、このMGMが現在はAmazon傘下にあるということで、こうして公開から半年もたたないうちにPrime Videoで配信されるというのは宿命というか、最初からそう決まっていたようなものなのかもしれません。

Luca Guadagnino監督の作品で、Rotten TomatoesのTomatometer (批評家スコア)が88%であるのに対してPopcornmeter (観客スコア)は74%ということは、玄人好みでそれほど一般受けはしないということなのかもしれませんが、私が聴いているいくつかの映画紹介ポッドキャストでは高評価だったので、ちょっと期待していました。しかし、私には良くわからなかったというのが正直なところです。

今をときめく人気女優のZendayaが演じるTashi Duncan、Josh O’Connorが演じるPatrick Zweig、Mike Faist演じるArt Donaldsonという3人のテニスプレイヤーの間の三角関係を、PatrickとArtのテニスの試合を通じて描く、というようなものです。二人の男を手玉に取るTashiがリードしている関係なのかと思いきや、男二人もただ翻弄されるだけではない、というような感じでしょうか。

一つの試合を最初から最後まで描きながら、過去の出来事を挟み込んでいくスタイルなのは「THE FIRST SLAM DUNK」にも通じるところがありますが、この作品の見所の一つはその試合を描く際のカメラワークでしょう。テニスの試合なのでラリーが続くときは左右のプレイヤーの間をカメラの視点が往復するというのが通常の描き方だと思いますが、本作ではアニメにありそうなボール視点の映像などもあって、かなりアクション感覚のある描写になっていました。

また、サウンドトラックにテクノサウンドが多用されているのも特徴的です。このサウンドが独特な雰囲気を与えていて、本作の印象に大きな影響を与えているのも間違いないでしょう。改めてサウンドトラックを聞いてみても、文字で表現するのは困難ですが、非常にセクシーなサウンドになっています。メイントラックのChallengersという曲は特に印象的です。

しかし、私には良くわからなかったというのは、大したドラマがあるわけではないように思ってしまったのです。単に私が理解できなかっただけなのか、実際なにかがあったというわけではないのかがわからず、どうも不安です。

なお、Loeweのクリエイティブ・ディレクターJonathan Andersonが衣装デザインを担当しているということで、Jonathanがデザインしたという劇中で着られている”I TOLD YA”というロゴの入ったTシャツをコレクションのページで販売しているのですが、さすがLoeweということで39600円という価格になっています。一桁安ければ私も買っていたかもしれませんが、一般庶民の私にはTシャツに4万円も出すことはできません。着心地も相当良いのだろうとは思いますが…