A Film About Coffee

観ているうちにコーヒーが飲みたくなって途中で淹れてしまいました。
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未だ終息の見えないCOVID-19の影響でこの4月頃から在宅勤務中心の生活になりましたが、実はそれによって良くなったことが少なくありません。その一つは好きなときにコーヒーを淹れて飲めるようになったということなのですが、平均よりもだいぶコーヒーを飲みたい私にとっては結構意味のあることで、これによって業務に対する集中力も上がっていることは間違いないと思います。

また、週末もお気に入りのカフェでのんびりしたり、美味しいコーヒーを求めてカフェ巡りをしているのですが、そういったカフェの中でも気にいる一つのタイプは「店舗内で焙煎している」ところです。そういうところは間違いなく豆にもこだわっているのでコーヒー自体が美味しいということもあるのですが、それ以上に店内に微かに漂う焙煎時の独特の香りがたまらなく好きなのです。

昨日観た映画「ア・フィルム・アバウト・コーヒー」はそんな香りが今にも漂ってきそうな作品でした。1時間少々の短い作品なので、気負わずにちょっとした隙間時間にも観ることができるのではないでしょうか。

コーヒーを愛し、コーヒーに人生を掛ける、コーヒーが飲まれるまでの各工程に関わるプロフェッショナルを追ったドキュメンタリー作品で、ニューヨーク、サンフランシスコ、ポートランド、シアトルというアメリカの各都市と、東京のロースターが登場します。本当はコーヒー文化といえばイタリアのバールやパリなどのカフェなども欠かすべきではないところだと思いますが、アメリカ映画なので仕方ないでしょうか。

本作では日米のロースターと同程度に、ルワンダやホンジュラスの生産者の様子も取り上げられています。コーヒーノキを育て、収穫・精製することでコーヒー豆となり、焙煎ができる状態となるのですが、そこまでの工程には多くの人々の手がかかっています。また、1本の木からはおよそ450gのコーヒーが採れるとのことで、逆にそれしか取れないのです。我が家ではだいたい2週間位で800gのコーヒーを消費していますので、年間40本以上のコーヒーの木を必要としているということになり、それを育てるためにも人手が掛かっていることを考えると、これは非常に贅沢なことではないでしょうか。

また、コーヒー豆の販売では「フェアトレード」が謳われることがありますが、本作ではそれを超えた「ダイレクトトレード」の取り組みが紹介されています。フェアトレードとは原材料を適正な価格で継続的に購入することによって生産者の生活改善や自立を目指す取り組みのことですが、ダイレクトトレードはそれをさらに進め、中間業者を省いて生産者と直接取引して購入することによって価格面だけでなく情報の面でもメリットを見出そうとするものです。その代価として産地に直接赴いて交渉しなければならないなどがあり、また消費者にもその品質に見合う負担への理解が求められるでしょう。こうした取り組みは良質なコーヒーの生産そのものを持続可能なものとしていくために必要なものだということで、勉強になりました。

ということで、ますますコーヒーへの関心が高まり、今後1杯1杯を心していただいていきたいという気持ちになりました。

Parasite (기생충)

先が読めません。
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2019年には「ジョーカー」や「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」といった良い映画があったので、これらのどれかがアカデミー賞を受賞するのだろうと思っていましたが、実際に受賞したのは韓国映画の「パラサイト 半地下の家族」でした。日本では今年1月からの公開だったこともあってあまり知られていなかったようで、私もポスターを見たことがあるだけでどんな映画か分かりませんでしたし、そもそも韓国映画というのはほとんど見たことがなかったので眼中にありませんでした。しかし、カンヌ国際映画祭Palme d’Orも受賞したと言いますし、アカデミー賞では作品賞、監督賞、脚本賞、国際長編映画賞の4部門で受賞、そして外国語の作品が作品賞を受賞したのは史上初、またカンヌとアカデミーとの最高賞を同時受賞したのは65年ぶりという快挙というより偉業を成し遂げたとなれば、私ももう観ない理由がありませんでした。

しかし、実際に見てみるまでは一体どんな作品なのか、本当に分かりませんでした。ポスターの雰囲気はなんとなくホラーっぽい印象があり、それも私が敬遠していた理由のひとつなのですが、実際にはこの作品はコメディです。しかし、この作品は観ていてこの先どうなるのかわからず、そして思いもかけない展開が待っているというのが面白いところなので、内容についてこれ以上のことは私も書きません。なお、Wikipediaにはあらすじが最後まで書かれてしまっているので、映画を観るまではページを見ないことをおすすめします。

この作品に登場するのはほとんどが韓国人で、セリフも全て基本的に韓国語なので、喋っていることはまったくわからず字幕が頼りということになります。しかし、字幕を読みながら注意して聞いていると、発音が日本語にかなり近かったり、漢字が予想できたりするような単語が時々でてきて、文化として日本に近いのだということを再認識できます。

ちなみに、母チュンスクや娘ギジョンは家にいるときはスッピンなのでなんとも言えない感じなのですが、表に出ていくときはバッチリ化粧して美人に変身するのですよね。まあ女の人はそんなものなのかもしれませんが、むしろスクリーンでスッピンを晒しているということが凄いことなのでしょうか。なお、チュンスクを演じているチャン・ヘジンはこの役のために15kg増量したとのことで、本来はもっとほっそりした人のようです。だからなんだというわけではありませんが。

ということで、ほとんど何も書くことができませんが、この作品をきっかけに食わず嫌いをやめてもっと韓国映画も観てみようかという気になりました。「韓国映画なんて…」と思っている人も、騙されたと思って観てみてはどうでしょうか。

Atomic Blonde

Atomic Blonde - Charlize Theron as Lorraine Broughton映像も音楽も何もかも。

いわゆる東西陣営のいがみ合いにより国家が2つに分断されている、と言うと今では南北朝鮮を思い浮かべるかと思いますが、かつては東西に分断されていたドイツがその代表でした。さらにドイツがややこしいのは分断前の首都だったベルリンは当時の東ドイツ領内にありながら、ベルリン自体も西に分けられ分割統治されていたということで、東側からの人口流出を食い止めるためにその境界に東ドイツが築いたのがベルリンの壁です。

このベルリンの壁は1961年から1989年に崩壊するまでの30年弱に渡って東西の行き来を阻んでいたわけですが、ちょうど今北朝鮮からの「脱北」が命懸けで行われているように、当時の東から西への脱出は逮捕、射殺、落下、溺死の危険を伴ったもので、運のいい一部の人だけが逃れることができたのでした。私はまだベルリンに行ったことはありませんが、当時イギリスに住んでいたことがあり、(西)ドイツも何度か訪れていたため、比較的肌に近いところでこの緊張感に触れていたものです。そしてこの壁が崩壊した1989年、日本でこのニュースを聞いた時には鳥肌の立つ思いだったことを今でも覚えています。

ということで前置きが長くなりましたが、公開初日の昨日観た映画「アトミック・ブロンド」はこの事件の直前のベルリンを舞台とした映画です。といっても壁の崩壊そのものとは直接関係なく、冷戦下のベルリンで暗躍する東西のスパイの戦いを描いたフィクションで、Antony JohnstonSam HartによるThe Coldest Cityというグラフィックノベルを原作としたものです。

The Coldest City
The Coldest City

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Antony Johnston
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主役はMI6のエリートエージェントであるLorraine Broughtonですが、それを演じているのはCharlize Theronで、このLorraineが美しくカッコよく、最高にクールです。本作のレーティングは日本ではR15となっている通り、血しぶき飛ぶバイオレンスだけでなくちょっとエロティックなシーンもありますが、そうでないシーンでもかなりセクシーです。

そして本作が素晴らしかったのはストーリー、キャスト、アクションだけではなく、時代背景とそれに合わせた音楽もです。BGMにはこの80年代後半に流行っていたヨーロッパの音楽が使われていて、当時よく聴いていた私はノリノリで観ることができました。99 LuftballonsCities in DustThe Politics of DancingFather FigureUnder Pressureなど、とても懐かしい曲もあったので、帰宅後迷わずサウンドトラックを購入してしまいました。

Ost: Atomic Blonde
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Original Soundtrack
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ところで少々ネタバレになりますが、本人がカメオ出演している「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー: リミックス」その他、最近David Hasselhoffの名前を耳にする機会が多いような気がするのですが、何なのでしょうか。実はベルリンの壁崩壊にまつわるエピソードがあるなんていうことを私は知りませんでしたが、そんな小ネタまで仕込まれています。

ということでこの映画を観て、北朝鮮も突然崩壊して一気に統一が果たされる、ということになるかもしれないし、あるいは韓国の方がということも無いとは言えないかもしれない、なんてことを考えてしまいました。当時もドイツがいつまであの体制かなんていうことはわかりませんでしたし、どうしたら冷戦が終わるのかなんていうことは実際にそうなってみるまでわかりませんでしたからね。