餘部橋梁このゴールデンウィーク、私の職場は生産ラインを止める関係で10連休という長期休暇になっているのですが、次男の怪我があったため帰省は控えたということもあり大した予定もなく前半を過ごしてしまったのですが、唯一のイベントとして義父母らと一緒に兵庫県北部へのドライブに行くことになったので、私の希望で一般に「余部鉄橋」の通称で知られる、JR西日本の山陰本線餘部駅のすぐ脇にある餘部橋梁にも行ってきました。大型連休というだけでなく、私たちは全く知らずに出かけていったのですが当日は何かイベントも行われていたらしく、臨時駐車場も開設されていたものの満車となっていて、周辺には多くの観光客の姿が見られました。

というのも、日本海から吹く強風に対する安全対策として、風速20m/s以上の場合には列車を停止させることとなっているために山陰本線の運休や遅れが問題となっており、風速30m/sまで耐えられる設計のコンクリート製橋梁に掛け替えるための工事が来年3月から始まることになっているからです。新しい橋梁の完成には3年ほどかかる予定ですが、すぐ南側に作られるため、工事が始まると今のような景観は望めなくなってしまうため、事実上今年が見納めということになってしまうのです。20m/sという規制が少々厳しすぎるのではないかという気もしますが、実際にこの橋で1986年に列車の転落事故が起こり6人もの人が亡くなっているのですから仕方ありません。

この高さ41mという鉄橋の立派なたたずまいはそれだけで見応えのあるものですが、これが1909年着工、1912年開通という非常に長い歴史を持つものだということを知るとまた驚かずにはいられません。およそ100年も前にこれだけの規模の建造物がこのような場所に造られたということは、当時の日本における鉄道というものが、技術の粋を結集して作り上げられたものであったということを物語っているように感じます。

コンクリート製に掛け替えられてしまうとかなり味気ないものになってしまうようで、観光資源としての価値はほとんどなくなってしまうようです。かといって現在の鉄橋のままでは山陰本線自体の価値が低下する一方なので、仕方のないことなのでしょうね。歴史的建造物がまた一つ失われてしまうということがとても残念ですが、その前に一度は目にすることができて良かったと思います。できればまたもう一度、違う季節に訪れてみたいと思いますが…

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