Microsoft Windows画像をファイルとして格納するためのフォーマットは古くから様々なものが開発され、それぞれの長所短所を活かし用途に応じて使いわけられてきましたが、Internetの普及により互換性が強く求められるようになってから事実上の標準化が進んできました。5年ほど前までは非圧縮ファイルはBitmap、可逆圧縮のアイコン等はGIF、不可逆圧縮の自然画像にはJPEGというのがde facto standardといってよかったのではないでしょうか。

しかし、UnisysがGIFに使用されるLZW圧縮に関する特許権(現在は既に失効)を主張し、ライセンス料を要求するようになってからこれに代わる可逆圧縮形式として開発されたPNGにシフトが進み、現在ではPNGもかなり市民権を得るようになったのではないでしょうか。PNGは不可逆圧縮やアルファチャンネルもサポートするなどかなり高機能なフォーマットとなっていますが、何よりライセンスフリーであることで安心して利用できるというのがいいところで、私もPNGを主に使用するようになっています。

ほとんど全てのデジタルカメラの画像形式としても一般的に使用されているJPEGについては、こちらも最近特許問題があることと、圧縮率を上げると画像にブロックノイズが目立つようになる問題があり、これに代わるフォーマットとしてJPEG 2000が策定されたものの、Windowsが標準ではサポートしていないということもあって普及には程遠い状況です。

そこで、これに代わる次世代の自然画像用フォーマットとしてMicrosoftがWindows VistaでサポートするというWindows Media Photoというフォーマットの仕様を発表しました。JPEGの半分以下のサイズに圧縮可能という触れ込みで、複数の色形式、固定/浮動小数点形式による高ダイナミックレンジエンコーディング、可逆/不可逆圧縮などこれ一つで何でも対応できるようなフォーマットになっているようです。Windowsが標準でサポートし、Microsoftも積極的に使っていくようになればかなり短期間で普及してしまう可能性もあるのではないでしょうか。

しかしこのセンスのないネーミングは何とかならないものでしょうか。Appleがかなりこだわった名前を付けてカッコつけているのとは対照的です。また、”Windows”という名前が付いていることに拒否反応を示す人も特にLinux界隈には多いのではないかと思われますが、本当に普及させたいと思っているのであればもう少し自己主張を抑えてもらいたいものです。というよりも「窓」という名前が付いている意味が全く理解できないのですが…それは単なる固有名詞だと思わなければいけないのでしょうか。

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