OperaInternet ExplorerMozilla/Netscapeに次ぐ第3のウェブブラウザとなっているOperaが、10周年記念パーティーでの24時間限定無料配布を経てライセンスの完全無料化が行われてからまだ1年も経っていませんが、現在のOperaのシェアはどれほどのものなのでしょうか。どうやらスピードではOperaが一番という比較結果も出ているのですが、私の身の回りでOperaを使っているという人は聞いたことがありません。もっとも、Firefoxを使っているという人もごくわずかで、IEが圧倒的に優勢というのが悲しいことながら現実ではあります。

そんな状況ではあるのですが、Operaのメジャーバージョンアップが行われ、Version 9がリリースされました。製品ページにはOpera 9の新機能が列挙されていますが、大きなところではBitTorrent、コンテンツブロック、ウィジェットのサポートがあげられます。

BitTorrentはいわゆるP2Pのプロトコルですが、大容量のファイルをいかに効率的に、高速に配布するかを追求して開発され、合法的な使用を目的としたものでありWinMXやWinny、Shareなどとは根本的に目的が異なります。現在はOSやアプリケーションのCDイメージなどの配布にも使用されていますが、独立したクライアントアプリケーションを使用することが必要でした。これがブラウザに統合され、普通にファイルをダウンロードするのと同じようにBitTorrentのプロトコルでダウンロードできるようになるというのは非常に便利なのではないでしょうか。

コンテンツブロックというのはFirefoxのAdblockと目的は同じで、ユーザにとって不要な広告画像を表示しないようにしてしまうものです。コンテンツの提供側にとってみれば非常に問題のある機能なのではないかと思いますが、私もFirefoxを愛用する一番の理由がAdblockがあるということなので、このコンテンツブロックの機能にはちょっと興味がありました。Adblockの場合はブロックしたい画像の上で右クリックするなどしてメニューを開き、URLを手動で調整してブロック対象を決めることになりますが、Operaのコンテンツブロックの場合はブロック対象をクリックして選択していくと自動的に対象URLを最適化してくれるようで、非常に使いやすいインタフェースになっています。ブロック後のレイアウトに一部難があるページもありましたが、使い勝手はAdblockよりも完全に上です。

ウィジェットのようなものは最近色々なツールで実現されるようになっていて、一体どれを使えばいいのか迷うような状況になってきているのではないでしょうか。私はYahoo! Widgetsを愛用していてこれから乗り換えるつもりは今のところありませんが、ブラウザがウィジェットを管理するというのも面白い試みかも知れません。しかし、ブラウザを立ち上げっぱなしという人はいいかもしれませんが、ウェブを見たいときにその都度ブラウザを立ち上げるという人には不向きですね。

他にもサムネイルプレビューや昔から使いやすいと定評のあるOpera Mailなど魅力的な要素はいくつもあると思うのですが、私がFirefoxから乗り換えるということは現時点では考えられません。その理由はやはり「無料ではあってもオープンではない」ということが大きく、これはなかなか深い溝なのではないかと思います。ソースが見られるからといって自分で手を加えるというわけではないのですが、ソフトウェアエンジニアの端くれとしてはソースを手にすることができるというだけで安心感が得られたりしてしまうようです。まあ、それだけではなくて結局は慣れてしまっているからということもあるのかもしれませんが…でもOperaはかなりいい線まで来ていると思いますので、ソースなんてどうでもいい!という人にはお勧めできます。

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