Archives

マスカレード・ホテル (小説)

映画も観てみたい。

昨年暮れ頃から映画の予告で頻繁に流れていて、その頃ちょうど瀬戸弘司のゲーム実況で通称「キムタクが如く」こと「JUDGE EYES:死神の遺言」を観ていたので好感度が上がってしまっていた木村拓哉と長澤まさみが主演していた映画「マスカレード・ホテル」はちょっと気になっていたのですが、基本的に邦画はあまり観ない私なのでこれもAmazon Prime Videoで無料になったときに観よう、くらいの気持ちでいました。まあこれほどの映画であれば無料にはならないような気もしますが。

そんな映画の原作は東野圭吾氏なので、まず間違いなく面白いと思っていたのですが、先日図書館に行った際にその原作本がおすすめコーナーにあるのを見つけ、借りてみたところやはり予想通りに面白く、結局読み始めて2日、のべ4時間足らずで読み切ってしまいました。東野氏はもともと技術者だった理系の人なので、推理小説でも論理の破綻が少なく、理屈として筋が通っているところがある気がして私は好きです。

マスカレード・ホテル (集英社文庫)

posted with amazlet at 19.05.12

東野 圭吾 集英社 (2014-07-18)売り上げランキング: 1,169

Amazon.co.jpで詳細を見る

本作は2008年末から連載されていたもので、単行本としては2011年に発刊されたものだということです。映画の予告編でも説明されていたとおり、とある高級ホテルでの殺人の犯行予告があったために警察が潜入して警戒することとなり、フロントスタッフとして潜り込んだ刑事、新田浩介と、できるフロントクラークの山岸尚美を中心に、誰が犯人で誰が被害者になるのかもわからないまま、犯行を未然に防ぐために四苦八苦するというような話です。その中で、ホテルという場所柄さまざまな人が訪れていろいろな事が起こりつつ、事件に関係があるのかないのかわからないというのが面白いところかと思います。

予告編を観ていたおかげで脳内ではキムタクと長澤まさみで映像が再生されてしまいましたが、それには全く違和感がありませんでした。きっと映画でも原作に忠実に映像化されているのではないかと思うので、このあと映画を観たときにも違和感はないような気がします。しかしこの主人公2人以外は誰がどの役を演じているのか知らなかったので、それらの人は脳内映像では顔がない感じでした。

なお、本作はすでに第2作として前日譚の短編集「マスカレード・イブ」と、第3作の続編「マスカレード・ナイト」が出版されており、「マスカレード・イブ」についてもすでに図書館で借りて読んでしまいました。新田と山岸の2人が出会う前にそれぞれが出会った事件・出来事とその解決までを描いたものになっており、「マスカレード・ホテル」からの流れで読むと楽しめるのではないかと思います。ただし、本作のエピローグは「〜ホテル」のネタバレにつながるものになっているので、読む順番は間違えないようにした方がいいでしょう。

マスカレード・イブ (集英社文庫)

posted with amazlet at 19.05.12

東野 圭吾 集英社 (2014-08-21)売り上げランキング: 2,254

Amazon.co.jpで詳細を見る

Pokémon: Detective Pikachu

思っていた以上にポケモン。

今でも町を歩いているとスマートフォンを片手に何人もの人が立ち止まっていることがありますが、そこには「ポケモンGo」のポケモンジムがあって、強いポケモンのレイドバトルに参加しているということが多いようです。そうした人たちの多くは中高年の方のようですが、時間があって健康のために歩くことをいとわないような人にジャストフィットしているようです。

しかし、もともとポケットモンスターが始まったのは1996年のゲームボーイ版のゲーム「ポケットモンスター 赤・緑」からですので、今「ポケモンGo」に熱心な人々はもともとあまりポケモンには関心がなかったのではないでしょうか。しかし、「ポケモンGo」は特にポケモンに関する知識がなくてもそれほど支障なくゲームを進めることができますし、遊んでいるうちに自然と覚えてくるので問題はないのでしょう。

ポケモン自体はもちろん日本発祥のものですが、その人気は世界中に広がっており、このたびハリウッドのスタジオにより実写版の映画「名探偵ピカチュウ」が公開されました。私も当初は特に関心がなかったのですが、予告を見ていると案外子供向けというわけでもないのではないかという気になり、妻に「そんなのまで観るの?」と言われながらも観に行ってきました。私が観たのは夜9時過ぎに上映開始のレイトショーの字幕版でしたが、ゴールデンウィーク中ということもあり多くのシートが埋まっていました。なお、アホらしいことに兵庫県では青少年愛護条例 (PDF) により、たとえ保護者同伴であっても「23時以降に18歳未満の者を外出させないようにしなければならない」と定められているため、レイトショーは18歳以上でないと観ることができず、観客はすべて大人でした。保護者が一緒ならそれは家庭の問題だろうと思うのですけどね。

それはともかく映画について、違和感なくポケモンを実写化するというのは難しいだろうと思うものですが、ゲームやアニメに出てくるそのままのポケモンが画面に登場しているにもかかわらず、不思議とそれなりに画面に馴染んでいたように思います。もちろん非現実的なものですし、マンガっぽいキャラクターなので違和感がないわけではありませんが、実際にそこにポケモンがいるようには見えました。そもそも人間以外の動物はすべてポケモン、というその設定自体に無理があるというか、地球ではないどこかの星の話と思うほかありません。

思っていた以上に沢山のポケモンが登場するということもあり、予想以上に子供向けな感じだったのですが、先日公開された「シャザム」なども吹替版しか上映しないような劇場なのですから、字幕版やレイトショーがあるということは劇場としては大人が観ることも想定しているはずです。しかしそれはどの要素からそう判断したのか、結局よく分かりませんでした。もともと私がこの映画に興味を持ったのは、予告の中で主人公の名探偵ピカチュウがRyan Reynoldsの声で毒っぽく喋っていたからなのですが、すべてのポケモンが特定のパートナーとは会話ができるという設定なのかと思ったらそうではなかった、というのがちょっと意外だったというか、残念なところでした。

The Hateful Eight

つくづく、こんな時代に生まれなくて良かった。

「キル・ビル」などのヒット作で知られる映画監督Quentin Tarantinoの作品はバイオレンス描写がえげつないということでも知られており、それが苦手なので私は今まで興味を持ちつつも一度も観たことがありませんでした。しかし、今回観た「ヘイトフル・エイト」については予告で観て興味を惹かれたのを覚えており、レビューを見ると私の好きな伏線回収もののように書かれていたので、意を決して観てみたというわけです。

ヘイトフル・エイト(吹替版)

posted with amazlet at 19.02.24

(2016-08-16)売り上げランキング: 68,262

Amazon.co.jpで詳細を見る

物語の舞台は南北戦争集結の数年後のアメリカ中西部、ワイオミング州の山の中です。日本で暮らす普通の人にはワイオミング州といってもアメリカのどこなのかピンとこないと思いますが、州境が直線4本で描かれるほぼ完全な長方形の州で、その北西の角にイエローストーン国立公園を含んでいます。また、現在全米50州の中で最も人口が少なく、南北450km、東西550kmという広大な面積の中に50万人余りしか住んでいないということですから、今でも相当な田舎であり、当時はさらに相当な僻地だったということは間違いないでしょう。

南北戦争が終わったのは1865年ということですから、今からおよそ150年前のこと、日本で言えばちょうど幕末から明治維新の時期にかけての頃の話ということになります。日本の長州征討とアメリカの南北戦争がほぼ同じ時期の出来事だったということは私も知りませんでしたが、日本史と世界史とを完全に分けて教えられてきた弊害ですね。まあ、私は歴史の授業が非常に苦手で全く頭に入っていないだけなのかもしれませんが。

そんな時期のアメリカは全く野蛮な社会だったようです。昨年ヒットした「レッド・デッド・リデンプションII」というゲームが1899年のアメリカを舞台にしたオープンワールドゲームですが、この映画より若干あとにはなりますが同じような世界観で、一時期このゲームの実況プレイを観ていたのでちょっと馴染みのある感じでした。

Samuel L. Jackson演じる主人公のMarquis Warrenは元北軍少佐の賞金稼ぎで、いきなり3人分の死体を携えて登場します。そこへ通りがかったO.B. Jacksonの馬車に乗るKurt Russel演じるJohn Ruthと、Johnが連れた賞金首のDaisy Domergueらが物語に加わることになり、その後も加わって互いに信用できない者どうし合計8人となって駆け引きが繰り広げられるというものです。このストーリーが合計6章に区切られているというのは、小説を読んでいるような感じで面白い仕掛けではないでしょうか。

ストーリーは非常に面白かったのですが、やはり特に終盤の残虐描写が私にはキツかったです。もしも本で読んでいたとしたら、仮に同じような情景を頭に浮かべるのだとしても、きっとその方が純粋に楽しむことができたのではないかと思います。結局、Tarantinoを避けてきたのは正解だったということなのかもしれませんが、直接的な残虐描写を除けばとても素晴らしい監督なのだと思うので、なんだか大変残念です。

しかしこんな野蛮な時代に生まれなくて本当に良かったと思いますが、アメリカには未だに賞金稼ぎという職業が存在するということが驚きです。世界最高の文明社会のような面をしていますが、古いものやその名残もたくさん残っているのがアメリカなのですよね。