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カメラを止めるな!

よろしくで〜す。

製作費たったの300万円でもこんなに面白い映画は作れる、と巷で話題沸騰の映画「カメラを止めるな!」です。

東京のたった2館から始まって全国に次々と拡大し、現在公式ページの劇場一覧にはこれからというところを含め数多くの劇場が掲載されていますが、我が町姫路でも今週末から公開されることになりました。一週間前の先週金曜日深夜12時に予約開始ということだったので、いつもはとっくに寝ている時間まで頑張って起きて、1分以内に予約を完了しました。とはいえ、何日かあとに予約状況を見てみたところではそんなに慌てる必要はなかったようですが、まあ気持ちの表明ということで、それはそれでいいのです。

ということで初日の昨日、6時半からの回で観てきましたが、期待していた以上に面白かったです。極力何も知らずに観た方が楽しめるということだったので、ほとんど下調べをせずに臨みましたが、なるほど面白いというのはこういうことか、と納得です。したがって、普段も映画の話を書くときはできるだけネタバレにならないように努めている私ですが、今回はどんな些細なことでも影響してしまいそうなので、これから観ようと思っている人はこれ以上は読まない方が良いのではないかと思います。

もちろんストーリーについてなど書くことはできませんが、公式ページから引用すると以下のような話です。

とある自主映画の撮影隊が山奥の廃墟でゾンビ映画を撮影していた。​本物を求める監督は中々OKを出さずテイクは42テイクに達する。そんな中、撮影隊に 本物のゾンビが襲いかかる!​ 大喜びで撮影を続ける監督、次々とゾンビ化していく撮影隊の面々。
“37分ワンシーン・ワンカットで描くノンストップ・ゾンビサバイバル!”

この37分ワンカットという、いわゆる長回しも見所の一つでしょうが、本作の面白さとは関係無いようで大いに関係がありますね。ちょっと退屈しそうになるところもあるけれど、それにも意味があるので最初の37分はとにかく集中して観ましょう。注意力があるかどうかでどれだけ楽しめるかどうかが変わると言って良いのではないでしょうか。なんだか意味のわからない動きをする人にも、ちゃんと理由があります。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の伏線を回収していくのが気持ちいいという人には絶対に楽しめるでしょう。

本作はまたエンドロールが面白くて、映像に見入ってしまうのでキャストやスタッフにはぜんぜん目が行きません。これはどうなのかとも思いますが、これも重要な一場面とも言えますし、かと言って本編には入れようがないので仕方ないでしょう。エンディングテーマ曲「Keep Rolling」はJackson 5の”I Want You Back“をモチーフ、というかほとんどそのままなのにメロディ自体は違うからOK、というなんだかギリギリの曲ですが、確かに著作権的には問題なさそうです。でもメロディは違うのに同じようにしか聞こえないという原曲もすごいですね。

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「シン・ゴジラ」が面白いと言って騒いでいた連中がまた騒いでいるだけ、と揶揄する人も某所にはいましたが、実際これは理屈抜きに面白い映画でしょう。映画の面白さを再認識させてくれるとも言えます。製作費や出演者の豪華さというものが作品自体の面白さとは直接関係ないということも明らかにしてくれました。私はこの記事を書きながらもう一度観たいという気持ちがふつふつと湧いてきてしまったので、できればこの週末のうちに観て隅々まで確認したいと思います。

…といっているうちに気持ちが高まってしまい、2回目を観てきてしまいました。パンフレットを買うということも忘れていたので、そのついでというかなんというか。2回目は2回目で楽しみ方が違ってやっぱり面白かったです。

World War Z

グロさはなくても恐ろしい。

映画のテーマとしてゾンビがよく取り上げられるのはナゼなのでしょうか。死体が動き出して生きた人々を襲い、ゾンビに噛まれると噛まれた人もまたゾンビになってしまう、というのがだいたい最近の決まり事になっていますが、そんな恐ろしい存在なのにホラー映画ばかりでなく先日観た「ウォーム・ボディーズ」のようにゾンビを対象にしたラブコメディまでできてしまうのにはちょっと驚きます。死体が動く、ということでリアルに描こうとするとどうしても気持ち悪さが先立つものですが、今回観た「ワールド・ウォーZ」はPG-13という低いレーティングになっているのでグロテスクな描写は一切なく、ゾンビに襲われるというミクロな恐怖よりも人類が滅亡の危機に瀕するというマクロな恐怖感を掻き立てられるものになっていました。

舞台は現代のアメリカを中心とした世界各地、Brad Pittが演じる主人公のGerry Laneがフィラデルフィアで家族とともに車で渋滞に巻き込まれていると、突然前方でパニックが巻き起こります。Gerryはこの瞬間初めてゾンビ的なものの存在を知ることになり、家族を連れて必死の逃避行を始めることになりますが、元国連調査員だったGerryは元同僚に請われて、家族の身柄の安全と引き換えにゾンビを食い止めるための調査に協力することになる、というような話です。

この映画に登場するゾンビの最大の特徴は、とにかく素早いということでしょう。動作は非常に機敏で、力も生きている時と同等以上にあるのではないかと思われます。また人間が感染してからゾンビ化するまでの時間も非常に早く、襲われたそばからゾンビ化していくので、都市などで人が集まっている所ではあっという間に壊滅的な状況になってしまうようです。また予告でも非常に印象的でしたが、蟻の大群のように押し寄せたゾンビが折り重なるようにして高い塀を乗り越えてしまうシーンなどはこれまでのゾンビ映画にはなかった表現ではないでしょうか。

そもそもウィルスなどにより「死んだ」人間が動きまわり生きた人を襲うようになるという事自体が荒唐無稽とも思われるのですが、昨今の鳥インフルエンザのアジアでの流行など、新しい病気のパンデミックに対する恐怖もあり、これに似たものによって同じような状況になってしまうということがないとは言えず、この映画のリアリティを補強しているとも言えるのではないでしょうか。

この作品はMax Brooksによる同名の著作を原作として作られたものですが、この本で中心的に描かれているのはこの映画でのゾンビとの戦いである「ゾンビ対戦」の後の話であり、もともとこの映画自体も3部作として企画されていたものらしく、公開以来の好評により続編に着手したとのことです。この作品では2億ドルという高額の制作費がかかってしまったようですが、それに見合った利益が上げられそうだと判断されたということですね。実際私も良くできた映画だと思いますので、「ゾンビなんて…」という人も観れば楽しめるのではないでしょうか。

WORLD WAR Z

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Warm Bodies

バカバカしいと思いつつ…

映画のジャンルにも色々ありますが、いつまでも飽きられずに続いている様子なのがゾンビ映画です。私は以前「ランド・オブ・ザ・デッド」を観て激しく後悔して以来、やはり苦手なジャンルです。しかしそれはホラーだから苦手なのであって、ゾンビが出てくるだけなら大丈夫だろう、とは思うのですが、ホラー以外でゾンビが出てくるというのはなかなかないことです。基本的に、単に死人が蘇ったというだけではなく、生きている人間を食料と思って襲ってくるのがゾンビですから、ホラー以外の作品にはなかなかならないものです。

しかし、ゾンビが主人公のラブコメディ作品が公開されるというのを他の映画を観に行った時に予告で知り、これはなかなか面白いのではないかと思ってしまいました。Rotten TomatoesのTomatometerでも77%ということでなかなか評価が高く、実際なかなか面白そうなので観てみたのが「ウォーム・ボディーズ」という作品です。今のところ日本での公開は未定のようですが、アメリカでヒットすれば遅れて公開が決まるかもしれません。

物語の舞台はゾンビが跋扈する世界で、人間は高い壁で囲まれた居住区に住み、ゾンビの侵入をしのいでいます。ヒロインのJulieはボーイフレンドのPerryらとともに居住区の外に医療物資を調達に行きますが、そこに主人公のゾンビRが仲間のゾンビとともに襲いかかり、PerryはRによって殺されてしまいます。ゾンビは人間の脳を食べることでその人間の記憶を見ることができ、それによってRはJulieに好意を抱き、彼女を救って自分の住処で匿ううちにRは少しずつ生に向かって変化していく…というような話です。

ゾンビが存在するというだけで非現実的なのに、それが生き返ったり、そのゾンビに恋をしたり、そのゾンビが自分の恋人を殺して食べたのに、とまったく無理のある話ばかりです。しかしそれでも笑いあり涙あり、テンポよく話が進むので飽きることなく楽しむことが出来ました。もちろんグロテスクなシーンはほとんどなく、ドキッとさせられることもあまりありません。

Rを演じるNicholas HoultもJulie役のTeresa Palmerもとても良かったのですが、存在感がありすぎるのがJulieの父General Grigioを演じているJohn Malkovichです。この人が出てくるだけでクセのある人物だというのがはっきり分かってしまう個性の強さは良し悪しですね。しかし今となっては他の人で置き換えることは考えられません。

ちょっと良かったのはRが住処にレコードプレイヤーとレコードを色々集めていて、なかなか懐かしい曲を聞かせてくれるところです。特にJohn WaiteのMissing Youは私にとっては懐かしい1984年のヒット曲で、私が持っていたレコードにも入っていたのでイントロを聴いただけで思い出しました。他にも色々なジャンルの懐かしい曲がかかるので、サウンドトラックは楽しめそうですが、残念ながらアルバムとしては発売されないようなので、自分で集めるしかないようですね。

ということで、期せずして公開初日に見ることになったこの作品、単純明快なストーリーのライトノベルのような映画でしたが、たまにはこういう作品もいいのではないかと思いました。最後まで都合が良すぎるような気もしますが、それでいいのです、きっと。理屈抜きに楽しみましょう。