日本の特撮映画の代名詞的存在である「ゴジラ」シリーズも登場から50年という節目を迎え、28作目となる「Godzilla Final Wars」で最終作となるそうですが、車を購入したときにそのチケットをディーラーのキャンペーンでもらったので家族で観に行ってきました。そういうことでもないとゴジラなど観ることもないので、私にとっては小学生のときに一人で観て以来20年ぶりくらいの2度目のゴジラですが、大人になってから見るゴジラというのはどんなものかとそれなりに興味がありました。

作品の方は、非常識かつ少々乱暴な無理のある設定の中で、出演者はくそまじめに演じているのですが、そもそもそのキャスティング自体が実力派俳優陣と旬を微妙にはずした面々の組み合わせで嘘くさく、何ともアンバランスでした。外国人俳優を出演させながら日本語で吹き替えているというのもよくわかりません。同じ特撮ものでも戦隊ものや仮面ライダーの方がまるっきり嘘っぽいのでむしろバランスがいいかもしれません。

ストーリー的には最初から最後までほとんど戦いっぱなしで、スピーディーな展開で飽きてしまうことはなかったかもしれません。18:45からという遅い回であったにも関わらず、昼寝をせずに臨んだ5歳の長男も130分余りの上映時間中を通して眠そうな素振りを見せることもありませんでした。

しかし、公開からちょうどひと月を経過しているとはいえ、ワーナーマイカルで1日2度しか上映されず、その上小スクリーンの4分の3以上の席が空席となっているというような状況なので、今作品で打ち切りというのも受け入れざるを得ない現実でしょう。何しろハリウッド映画に比べるとはるかに低予算での制作となるため、合成やCG処理などでも随所に安っぽさが垣間見えてしまいます。おそらくゴジラのような設定でもハリウッド並みの資金をつぎ込めばそれなりに見栄えのする作品になってしまうことでしょう。

このままでは日本の映画産業の危機とも思われますが、これからは世界的に認められているアニメのほかは純粋な芸術性・ストーリーそのものなどでアイデンティティを示していくしかないでしょうか。私自身、まともな邦画は観ないので偉そうなことを言える立場ではないのですが…