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Solo: A Star Wars Story

“I got a good feeling about this.”Solo: A Star Wars Story - Chewbacca

Lucas FilmのWalt Disneyへの売却後、「フォースの覚醒」以来「スター・ウォーズ」シリーズ作品が毎年12月に1作ずつ公開されるというファンにはたまらない事になっていたのですが、残念ながら今年の年末には公開されるものがありません。しかしその代りに、昨日からスピンオフ的な「アンソロジー・シリーズ」の「ローグ・ワン」に続く2作目、「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー」が公開されたので、早速初日に友人Zさんと一緒に観に行ってきました。Zさんは「ローグ・ワン」を一緒に観たのが初めての「スター・ウォーズ」だったのですが、その後私がBlu-ray Boxで全作品を貸して以来すっかりハマってファンになった人です。

この作品は海外では1ヶ月以上前に公開されていて、興行成績が振るわなかったということで今後の作品の計画も見直されているなどと報じられてしまっており、少々不安がないでもないという感じでしたが、まさかディズニーがそんな駄作をそのまま世に出すとも思えませんし、私にとってはスター・ウォーズであるというだけで満足できるはずでしたが、実際に観てみてもそれは全くの杞憂、あちこちにシリーズの各作品へのオマージュも散りばめられてとても楽しい作品になっていたと思います。

言うまでもなく、この作品は「新たなる希望」から始まるオリジナル・トリロジーの重要な役柄であるHan Soloが、Mos Eisleyの酒場でLuke SkywalkerObi-Wan Kenobiに出会う以前の物語です。Hanがどのように相棒Chewbaccaと出会い、Millennium Falconを手に入れ、スパイスの密輸業者としてJabba the Huttと取引するようになるのか、というようなところを描いていますが、これらはファンには気になることだったと思うので、ファンであればあるほど楽しめることは間違いありません。Millennium FalconはLando Calrissianからサバックの賭けで手に入れた、というのはファンなら誰でも知っていることですが、それを具体的に映像として見るのはまた感動があります。しかし逆に言えば、それほどスター・ウォーズに対する愛のない人にはあまり受けが良くないのも仕方ないのかもしれません。

さすがに最新のCG技術を使うにしてもHan Solo役はHarrison Fordが演じるわけにも行かないのでAlden Ehrenreichの主演となっていますが、渋さを身につける前の若々しいHanだと思えば悪くないのではないでしょうか。ヒロインQi’ra役のEmilia Clarkeはその美しさにうっとりしてしまう場面もありますが、「ターミネーター: 新起動/ジェニシス」ではSarah Connorを演じていましたが、「ゲーム・オブ・スローンズ」ではメインキャストの一人であるDaenerys Targaryenを演じているので、こちらの方が馴染みがあるという人も多いかもしれません。ハマると大変そうなので私はまだ「ゲーム・オブ・スローンズ」を観ていないのですが、これを機会に、Daenerysを見るために観始めてしまうかもしれません。またこのほか、Hanの師であるTobias Beckettとして、最近「スリー・ビルボード」などでも見たWoody Harrelsonが出演しています。

ということで、私はこのあとQi’raがどうなったのかがとても気になってしまうのですが、残念ながらこの続編というものは作られるはずもないので想像するしかありません。「ローグ・ワン」では主要キャストはほとんど死んでしまい、ストーリー自体は「新たなる希望」に続く形になっていたので同じようなことを考える必要はありませんでしたが、これはなかなか辛いです。せめて、というわけではありませんが、早いうちにもう一度じっくり見直したいと思います。

直島へ

再びアート。直島 赤かぼちゃ(南瓜)

例年私は家族の誕生日と結婚記念日には休暇をとって、大抵は妻と二人でランチを楽しむことにしているのですが、今年は次男も高校生になって構う必要がなくなったということもあり、ちょっと長めに時間をとって足を伸ばしてみようということになりました。そこで、以前妻が行ってみたいと言っていた岡山沖にある、香川県に属する直島へと行ってみることにしました。直島へは宇野港から四国汽船フェリーで20分、旅客船で15分という近さになります。このフェリーと旅客船の乗船券は共通ですが、時刻により使い分けられていて乗船場所が異なるので、時間に余裕が無いときは注意してください。

さて、直島に何があるのかというのは今さら説明するまでもないと思いますが、ベネッセアートサイト直島としてベネッセが運営するアートの施設が島内に点在し、島全体がアートで盛り上げられているような感じです。今年の正月に訪れた犬島と同じプロジェクトの、その本拠地とも言えます。島自体が犬島よりもだいぶ大きく、高低差もあるので歩いて回るのは大変なので、今回は港のすぐ近くで電動アシスト付きのレンタサイクルを1日1000円で借りましたが、これは大正解だったと思います。バスで回ることもできますが、時間に縛られることなく、電動アシストで坂もグイグイ登れるのでほとんど疲れることもありませんでした。

あいすなおセット
まず最初はANDO MUSEUMへと行ってみました。入り口が周囲の民家にあまりに溶け込んでいて、私達は1回通り過ぎてしまいましたが、なんとか中へ入ってみるとこの建物自体が木造民家の中に打放しコンクリートの構造という安藤忠雄の作品で、その中に他の安藤作品のいくつかを紹介する展示があるというものでした。住宅として使えるような空間にはなっておらず、全く実用的ではありませんが、その空間の遊びを楽しむということになるでしょうか。内部の展示はそのおまけでしかないと思います。

昼食はこのすぐそばの玄米心食 あいすなおというごはん屋さんで摂りました。こちらの売りは玄米を小豆と一緒に圧力釜で炊き上げ、それを3〜4日保温して寝かせているという玄米ご飯で、まるでもち米の赤飯のように本当にモチモチで美味しいです。私達は「あいすなおセット」という看板メニューを選びましたが、このごはんが完全に主役で、ごはんだけで美味しく食べることができます。おかずも豆腐と野菜のみの優しいビーガン対応のものですが、郷土料理の「呉汁」という味噌汁も非常に美味しく、魚や肉がないからといって物足りないということは一切なく、私はかなり満足しました。

直島 黄かぼちゃ(南瓜)
食事の後はまた自転車をひとこぎして島の南西方向へと向かい、黄色い「南瓜」ベネッセハウスショップを見てからシャトルバスに乗って地中美術館へと向かいました。建物の大半が地中に埋まっていて見えないようになっていることからその名がつけられていますが、この建物自体も安藤忠雄によるもので、作品の一つとなっています。そしてその内部にはClaude MonetJames TurrellWalter De Mariaの3名の作品だけが展示されているのですが、建物はこれらの作品に合わせて専用に設計されたものとなっており、建物と一体になって恒久的に設置されたものとなっています。

それだけに作品の演出は最高のものとなっており、有名なMonetの「睡蓮」が展示される部屋に足を踏み入れたときには文字通り息を呑みました。自然光のみで照らされているというその空間は圧倒的です。Turrellの「オープン・フィールド Open Field」という作品は得も言われぬ感覚を楽しむことができますし、「オープン・スカイ Open Sky」では実際以上の空間の広がりを感じることができます。ここでは「オープンスカイ・ナイトプログラム」という日没前後の光線の変化を楽しむことができるというものがとても良いそうなのでいつか行ってみたいものですが、その場合は島内での宿泊が必要となりますね。De Mariaの作品はヨーロッパの教会にも通じる荘厳さがあり、ある種の宗教的な感覚を感じてしまいました。

このあとは来た道を逆にたどって宮浦港の方へと戻り、「I♥湯」の前を通ってアカイトコーヒーで一休みしてから自転車を返し、フェリー乗り場でお土産を買って帰りました。振り返ってみるとこの日は普通の木曜日だったせいかどの施設でも人が少なく、行きの旅客船に乗ったときにもあまりに乗客が少なくて不安だったくらいなのですが、ゆっくりと楽しむことができたのがとても良かったです。また、そのせいなのか日本でのブームが去ったからなのか外国人の比率が高くなっていて、感覚的には観光客の半分以上が中国や欧米からの外国人でしたが、受け入れ体制は問題ないのかちょっと気になってしまいました。最近は京都などの定番観光地以外も世界に知られるようになって賑わっているのは良いことですが、ここに限らず外国人の間でがっかりスポットになっていないかも心配です。

金沢21世紀美術館

おじさんが一人でアートを楽しんだっていいじゃない。金沢21世紀美術館 スイミング・プール

今回のひとり旅で、金沢で一番行ってみたかったのが金沢21世紀美術館でした。なぜか私は勝手にもっと郊外の静かなところにあるのだと思いこんでいましたが、実際には兼六園の本当にすぐ隣、金沢駅から歩くにはちょっと遠いでしょうが、市内中心部の便利なところにあります。

この美術館は市民に親しまれているように感じられるのがとても良いと思ったのですが、その理由はその立地だけではなく、敷地に塀や柵がないということもあるのではないでしょうか。公園のように誰でも立ち入ることができ、建物の周りにあるいくつかの作品は体感しながら楽しめ、さらに展覧会もわずか360円から観ることができるのです。この360円の方では「コレクション展 見ることの冒険」という展示が行われ、沢山の人で賑わっていました。世界的に知られる美術館なので地元の人はそう多くないのかもしれませんが、便利な立地でもあり仕事帰りなどに気軽に芸術に触れることができそうで、とても羨ましい環境です。
金沢21世紀美術館 スイミング・プール

しかし、どうやら海外からの観光客も含め大部分の人は360円の方を購入しているらしく、1000円の方で観ることができるもう一つの展示「アイ・チョー・クリスティン 霊性と寓意」の方はかなり閑散としていましたが、逆に静かに落ち着いて楽しむことができてこれはこれで私には良かったです。現代アートはなかなか難解なものが多く、このAy Tjoe Christineの作品もまた難しいものが多かったのですが、そのうちのいくつかはなんとなく理解できたり、どこか不思議な魅力を感じられるものもありました。「私たちが過大評価されているのは、あなたたちが私たちのことを全く理解していないから」 (We Are Getting Highly Overrated Because You’ve Never Known Us) という作品名も、絵を見てもそれがどう表現されているのかはよくわからなくても、なんだかとてもカッコよく聞こえます。
金沢21世紀美術館 カラー・アクティヴィティ・ハウス

なお、この美術館に常設されている有名な作品にLeandro Erlichの「スイミング・プール」というものがありますが、やはりこれが一番の人気だったように思います。プールの上側はチケットが不要ということもあり、写真を撮る人がたくさんいましたが、プールの下側は一度にあまり多くの人が入れないためちょっとした行列になっていました。下側でもほとんどの人が写真を撮っていましたが、私ももちろんその一人です。上から見ても下から見ても、本物のプールのように見えるというのが面白いのですが、こういう作品はやはりわかりやすくて人気のようです。

ちょっと残念に感じるのは、こういうところに来ると外国人の割合がとても高くなること、外国人が多いことが問題なのではなくて、日本人が少ないことが残念なのです。日本にもこうした美術館があちこちにできて、芸術に触れる機会が身近に与えられるようになってきたのに、それを積極的に楽しもうとするのはごく一部の人だけになっているのではないでしょうか。もちろん、趣味は人それぞれなので見ないことが悪いというのではありませんが、もっと多くの人に楽しさを知ってもらいたいと思うわけです。私も美術館に足を運ぶようになったのは比較的最近のことなので偉そうなことは言えませんが。