カート見るのと乗るのとでは大違い

私の職場では毎週水曜日と金曜日は定時で仕事を終えて心身をリフレッシュしましょう、というリフレッシュデーとなっていて、それとは無関係にバリバリ残業している人もまあいるものの、一応早く帰りやすいような雰囲気になっています。私は普段はさっさと仕事をやめてまっすぐ家に帰り、子供と一緒に風呂に入るというのが習慣のようになっているのですが、今日は会社の有志6人でレンタルカート場に行って初めてのカートを体験してきました。

私は今回が初めてだったのでまずは基本的な規則とフラッグの意味を説明する数分のビデオ講習を受けましたが、本当に簡単な内容ですしフラッグの意味はF1と同じなので特に問題はありませんでした。その後いくつかの料金コースから20分間走り放題5000円というコースを選択し、いよいよコースへと向かいます。なお、ヘルメットと軍手などは全て貸してもらえるので特別な準備は全く必要ありませんでした。

カートというと遊園地のゴーカートのようなものを思い浮かべる人もいるかと思いますが、F1ドライバーなど一流プロフェッショナルもここからスタートする人が多いというモータースポーツの登竜門の一つで、バカにしてはいけません。入門クラスでも最高速度100km/hも出たりするということですが、私たちが乗ったのはさすがにそんな性能のものではなく、せいぜい60km/h程度のようですが、着座位置が地面すれすれと低いのでスピード感は相当のものです。

5人まで同時に走れるというところに6人で行ってしまったので3人ずつに分かれて乗ることにしたのですが、初めての私はとりあえず様子を見たいということで経験者3人に先に走ってもらうことにしました。一緒に行った後輩Mは大学時代はカート三昧だったらしく、さすがに私たちの中ではトップのタイムをコンスタントに出していました。そうこうしているうちに20分が経ち私の番が来たのでカートに乗り込み、いざコースインします。

最初はアクセルの加減をつかんでみて、それからブレーキも踏んでみて、と習熟方法をアドバイスしてもらいましたが、まず1周目から思っていたよりもだいぶ難しいということがわかってしまいます。何しろちょっとオーバースピードだとすぐにグリップを失って簡単に滑ってしまうので、しっかりと減速して目一杯ハンドルを切らないと上手く曲がることができません。しかしコーナー手前で上手く減速してコーナーの出口を向きかけた辺りからアクセルを踏んでいくとドリフト気味に加速して抜けることができるので、それが決まると実に気持ちがいいものです。

ところがカートで20分というのはかなり長い時間で、おそらく10分くらい経った頃から重いハンドルと振動のせいで腕の疲労を感じるようになり、思った通りのライン取りなどできなくなってしまいました。疲れたらピットに戻って休んでも良いとは言われても、それはそれでもったいないのでついつい走り続けてしまいます。まあコース場でダラダラ走っているよりは休んでメリハリ付けた方がいいのかもしれませんが、なかなかそうは行かないものです。

実は途中でスピンしたときに両手を挙げる、というのをサボってしまったせいで黒旗を振られピットに戻ることにはなったのですが、それは一応そういう形になっているということで特に怒られるというものではありませんでした。まあ慣れてきてアクセルが踏めるようになってきたようだけど、ちょっと力任せになっているようだからクールダウンさせようとも思った、ということでしたが、その場でまたアドバイスはもらったもののもう既に疲れてきていたので結局なかなかうまくいきませんでした。

何とか20分走りきったあと、ベストラップは後半3人の中でトップということで「初めてにしては上出来」と軽くお褒めの言葉をもらうことができましたが、やはりなかなか思った通りには行かず難しいものです。F1をテレビで見ているだけだとその厳しさというものはあまり伝わってこないものですが、カートでさえこれなのでF1なんてはるかに高い次元の難しさで、物凄く過酷なものなのではないでしょうか。20分走り終わったあとは両腕がだるく、なぜか腹筋の疲れも感じましたが、F1なんて90分とかですからね…素人にはコーナー一つでさえ走ることができないでしょうね。

ということで今日はかなり楽しむことができましたが、帰ってきて妻に「20分で5000円」という話をしたら「たったの20分で高すぎる」と全く理解してもらえませんでした。私にとっては20分でも十分すぎるほど長い時間で、これ以上長く乗り続ける事なんてとても無理なのですが、妻にしてみれば5000円あれば美味しいものを食べてもっと長い時間楽しむことができるということらしく…まあ価値観は人それぞれですからね。