温泉このままスムーズに社会復帰することができるでしょうか?

年末年始の帰省の間、往復の疲れからか体調が芳しくなかったということもあって、元日以来しばらく更新をサボってしまいましたが、長かった正月休みもついに今日で終わりとなってしまいました。実際は私の勤務先は昨日が仕事始めなのですが、不良社員の私は年始早々に堂々と有給休暇を2日もくっつけてしまっていたのでした。それというのも、当初は正月休みからちょっとずらして安くなった頃に海外旅行か北海道へスキーにでも行こうと思ったからだったのですが、ここまで原油価格の下落と円高が進むとは思っていなかったので、やっぱりあまり金は掛けられない、と会社の保養所に行くことにしてしまったのでした。

私の勤務先の保養所は全国の何カ所かにあるのですが、今回行くことにしたのは最近たまたま義母が行って良かったという湯布院に決めました。やはり結構な距離があるためもともと関西から九州に行くということがなかなかなく、妻は修学旅行で行ったことがあると言いますが、関東出身の私は生涯二度目の上陸であり、子供達にとっては初めてになります。しかしながら湯布院というのはよくある温泉街でしかなく、わざわざ九州まで行くほどのものなのかという疑念はなかなか拭えませんでした。

旅行は2泊3日の予定でしたが、初日は500kmあまりのドライブで費やしてしまい、せっかくだからどこか1カ所は行ってみようと寄った九重夢大吊橋は受付時間に間に合わず、駐車場から眺めるだけになってしまいました。まあ、「日本一高く長い歩行者専用橋」だというこの吊り橋は主に観光目的で造られたものらしく、歩いて渡る必要がありそうな場所でもなく、両端にゲートがあって中学生以上は500円の「入場料金」が必要だとか、営業時間が限られていたりということもあって、観覧車と同類の遊具でしかないようなのでもともとあまり興味が湧かなかった、というのはただの負け惜しみでしょうか。結局その後は素直に宿へ向かって夕食を摂り、温泉に浸かってのんびりしました。

ということで、2日目は昼頃まで湯布院の温泉街をブラブラ歩いてショッピングを楽しんだ後、隣の別府温泉へ足を伸ばしてみました。別府の方は街としてもかなり栄えていますが、温泉地としても湯布院に負けず劣らず名高いところで、今回のお目当ては「泥湯」が楽しめるという別府温泉保養ランドです。行ってみて驚いたのは施設の見事な寂れっぷりです。70年代頃までの温泉街の雰囲気がそのまま残っているような感じで、B級スポットの香りがぷんぷん漂っていました。

ただし、実際に漂っているのは硫黄の匂いで、またあちらこちらで湯気が上がっていたりゴボゴボと音がしていたりで、これはまさに温泉にやってきたのだという感じでテンションが上がります。古びた受付で代金を払う時におばちゃんから色々注意事項を聞かされて、ただのリゾート温泉とは違っていかにもよく効きそう、と期待感も高まってしまいます。

クネクネと長い通路を歩いていくと浴場受付があり、その先にある脱衣所で服を脱ぐとまずは「コロイド湯」です。この温泉では石けんやシャンプーは一切使ってはならないということなので、ここでかけ湯をして汚れをざっと流すのみです。要するにここは風呂ではなく、温泉の薬効を目的とした湯治場ということなのですね。コロイド湯はちょっと温度が高めで最初は熱く感じますが、慣れるとそれがじんわりと気持ちのいい熱さになってきます。また、この先の泥湯は露天になるので、特にこの時期は冷えてしまわないようにここでしっかりと身体を温めておく必要があります。

ということでその後はいよいよ泥湯へ向かいます。ここには屋内の泥湯もあるのですが、ここは「強すぎる」ということで小学生以下の入浴は禁じられているのでこれはパスしなければならず、まっすぐ混浴の露天鉱泥大浴場に入りました。泥湯というのは何なのかといえば、温泉と一緒に湧き出した「鉱泥」の混じった湯に浸かることができるものなのですが、想像していたほどドロドロしたものではなかったものの湯は白濁して透明度ゼロ、底にはきめの細かい泥が沈殿していてかなり特徴のある温泉でした。実際に入浴後は1時間以上も足などからじんわりした感覚が消えず、まさに「効いている」と実感してしまうもので、九州まで来た甲斐があったと思えました。

ということで後は市街地に忽然と異様な姿を見せるグローバルタワーに上り、高さ100mの展望台から景色を眺めてみて、それはそれで爽快なものではあったのですが、正月早々ということもあってか他の客は全くなく、何とも寒々しい施設でした。まあ、地元の人が上ることはまずないのでしょうし、観光客がわざわざ立ち寄るようなところでもなさそうですから仕方ありませんね。展望台の広さや小型のエレベーターが1基しかないことからも、もともとそんなに客が来ることは考えてなさそうですし。

と、適当に時間潰しをしたところで、夕食は昭和28年からの老舗だというグリルみつばへ行ってみました。ここの人気メニューは、大分ではかなりポピュラーなメニューらしい「とり天」です。要するに鶏肉の天ぷらなのですが、大分以外ではそれほど一般的でもないと思われるのでぜひ一度食べてみなければ、ということで食べてみると鶏は柔らかく、衣はサクッと揚がっていて、甘辛のタレもぴったりでとても美味しかったです。まさに私好みの味だったのですが、大分でしかこれが食べられないのかと思うと何とも残念に思えてしまいました。

というようなことで2日目を終え、後は帰るばかりなのですが、ちょっとまだ長くなりそうなので今日はとりあえずここまでということで続きはまた…