FanboysSWオタクによるSWオタクのためのSWオタクの映画。

SF映画ファンを自任する多くの人にとって、スター・ウォーズという作品は特別なものなのではないでしょうか。特に第一作であるエピソード4 新たなる希望はそれまでのSF映画の常識をくつがえす、特殊効果を多用して独特の世界観をリアリティたっぷりに描いたSF大作の金字塔として揺るぎない地位にあります。

そんな作品ですから、その世界にのめりこんでしまう人もいて、フィギュアや書籍を買いあさり、日々熱く議論を戦わせてしまったりするようです。私の場合はそこまでは行かず、旧3部作がDVD BOXで発売されれば予約して購入し、アート オブ スター・ウォーズ展が開催されれば大阪まで足を運びキャラクターやクリーチャーの図録を見つければ購入するといったくらいのものです。それで十分だろうと思われるかもしれませんが、実は劇場で見たのはエピソード2と3だけというファンというのもおこがましいレベルだったりします。

私のことはさておき、スター・ウォーズファンのスタッフが、スター・ウォーズファンを中心に描いたコメディ映画「ファンボーイズ」のDVDレンタルが開始されたので、その初日に早速借りてきて観ました。

ファンボーイズ [DVD]
監督:カイル・ニューマン
ビデオメーカー (2010/05/12)
ISBN/ASIN:B0036137NC

もともとこの作品はアメリカのみで公開の予定で、日本では劇場公開はおろかDVDの発売も予定されていなかったのですが、スター・ウォーズファンの有志が日本での劇場公開を求めてネット上で署名活動を展開し、TSUTAYAがそれに応えて2週間限定での劇場公開とDVD化、レンタルを行うということになりました。したがって、レンタルはTSUTAYAが独占ということになっているのですが、幸い私は普段からTSUTAYAを利用していたので何も考えずに借りられたというわけです。

ストーリーの方は、スター・ウォーズファンの仲間たちが、癌で余命4ヶ月という友人のためにスカイウォーカー・ランチに潜入して公開前のエピソード1のラフカットを盗みだそうとする、という何ともバカバカしいものです。いくらなんでもそんな無茶なという内容ですが、しかしこの作品にはスター・ウォーズに対する愛が溢れています。作品そのものと、それを製作したルーカスフィルム、そしてキャスト達に対するリスペクトが随所に感じられます。ファンなら思わずニヤリとしてしまうようなオマージュの数々と、Carrie FisherRay Parkなどのカメオ出演があり、それを見つけるのも楽しみの一つです。

この作品の中ではトレッキーといがみ合い対決する場面などがありますが、互いのファン同士はそんなに仲の悪いものなのでしょうか。私自身はどちらもそれぞれ好きなのですが、同じジャンルのものとは捉えていないので相容れないものではないと思っています。まあそれもふざけてそういうことにしているだけなのでしょう。

しかしこの作品、スター・ウォーズが好きでないと全く面白さがわからないのではないでしょうか。日本では劇場公開の予定がなかったというの無理もないかなという感じです。この作品をどれだけ楽しめたかにより、スター・ウォーズに対する愛の深さが判ると言っても過言ではないかもしれません。そういう私はどうだったのかというと…結構面白かったのですが、わからなかったところがある、というかあるのではないかと思っています。もう一度旧3部作を見なおしてからこの作品を見ると「ああなるほど」というところがあるかもしれません。

ということで、スター・ウォーズに何の思い入れもない方には到底おすすめできるものではありませんが、それなりにファンであるという自覚のある人は観てみるといいのではないでしょうか。