BBC Earth優しい気持ちになれるかも。

いわゆる地デジ移行のせいでNHK解約が59000件に達し、今後も増える見込みというニュースがありましたが、放送法により義務付けられているため仕方なく契約しているものの、もともと全く見ていないという人も多いのではないでしょうか。また、NHKの受信契約の場合はあくまで民間団体との契約という形になっていて罰則がないため、何年か前には受信料の不払いが問題化したりもしていました。もともとこのNHKがモデルとしたのはイギリスの英国放送協会、BBCですが、BBCの場合は受信許可証という名目になっていて、無許可での受信には罰金も課せられるという点が大きく異なるところです。とはいえ、それ以外の点ではNHKが目指しているのは「日本版BBC」であるというところは間違いないのではないでしょうか。

さて、NHKでもスポンサー収入に頼る民放には無理でNHKにしかできない番組というものがあります。その代表的なものがドキュメンタリー番組で、特に大掛かりな制作となる自然を対象にしたものはNHKならではといえるものでしょう。しかし、やはりこの分野でもBBCはさらに上を行っていて、映像の美しさ、規模の面でうならせるものがあります。このBBCの自然ドキュメンタリーシリーズBBC Earthを映画化した「ライフ -いのちをつなぐ物語-」という作品が公開されているので、公開終了間際の昨日、家族で観に行ってきました。

世界中の動植物の生命活動を美しい映像で見せるドキュメンタリー作品ですが、普通は直接自分の目で見ることなどできない珍しい動物の行動が次々と映し出され、しかもそれを大スクリーンで見ることができるというのは映画ならではのものです。地デジになってテレビでもそれなりに美しい映像を見られるようになりましたが、映画館に勝るものではありませんね。

私が感心したのはバンドウイルカの漁の様子です。円を描いて魚を取り囲み、その円を徐々に小さくして追い込んでいき、それに耐えられなくなって飛び出すところを待ち構える、という実に賢い方法で、イルカの知能の高さを実証するような行動です。他にも道具を使うサルなど、人間だけが特別というわけではないというメッセージを伝えようとしているようです。

この他にも様々な動物たちが登場しますが、長男はその多くをすでに知っていたということもあってちょっと反応が薄かったです。しかし今回は退屈するかと思っていた次男の方が楽しんで観ていて、終わったあともまたDVDで観たいと何度も言うほど気に入ったようです。二人が一番気に入ったのはコモドオオトカゲだったようですが、コモドオオトカゲがあんなに獰猛だとは私も知らなかったのでちょっと驚きました。

ということで、普段は刺激の強い映画ばかりを観ているような気がしますが、たまにはこういう作品を観ると心が洗われるような気がしますね。あまり押し付けがましい感じがせず、淡々と見せてくれたのがいいのかもしれません。松本幸四郎松たか子の親子によるナレーションも落ち着いていて良かったと思います。