観ておいて良かったとは思いますが。
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私が追いかけている映画俳優は何人かいますが、2011年に「スーパーエイト」を観て惹きつけられて以来チェックしているのがElle Fanningです。仲の良い姉のDakota Fanningと兄弟でそれぞれ異なる魅力で活躍していますが、4歳離れた姉に比べるとメジャー作品への出演はあまり多くありませんが、演技力は決して負けていないと信じています。

そのElleの本邦における最新作が「ティーンスピリット」なのですが、残念ながら日本での上映館は結構限られていて兵庫県内では2館のみ、自宅から最も近いのが神戸ということなので、鑑賞料金とほぼ同じだけの交通費をかけて観に行ってきました。しかし、日曜日の朝9時過ぎからということではあったものの、神戸なのに入場者は私を含めて3名のみという状況だったので、限定的な公開になってしまったのも仕方ないかと納得せざるを得ません。

本作はElle演じる主人公のViolet Valenskiという、ポーランドからの移民でイギリスのワイト島の小さな村に住む少女が、閉塞的な生活から抜け出すためにオーディション番組”Teen Spirit”に出演し、成功を掴むまでの物語となっています。ストーリーはVioletを中心に彼女の心の動きと、彼女の指導者兼マネージャーとなる元オペラ歌手Vladimir Brajkovicとの繋がりを描くものとなっています。

Vladimirを演じているのはクロアチア人俳優のZlatko Burićなのですが、どこかで見たような気がしてなりません。フィルモグラフィーを見ても彼はあまりハリウッド作品への出演歴はなく、その中で私が観たのは「2012」くらいで、10年前なので内容は全く覚えていませんが、それほど印象的な役柄だったとも思えません。他になにか私が見逃している作品があったのでしょうか。

宣伝のためかとは思いますが、本作ではElleの歌唱力が高く評価されているというような話で、Violetが歌う場面が数多く、そして長い時間盛り込まれています。特にオーディションのシーンではほぼフルコーラス聞かせていて、凄く上手いというわけではないものの、プロフェッショナルらしく歌い上げていると思います。さすがに俳優としての発声などはトレーニングを受けているでしょうから、まったくの素人とは違いますね。特にSigridの”Don’t Kill My Vibe“を歌うところではなかなかの迫力があり、物語としても説得力があったのではないでしょうか。

なお本作はMax Minghellaの初監督作とのことなのですが、良いところもあったとは思うものの、全体的にちょっとダラダラと引き伸ばされているような感じがしてしまいました。私はこれまでに見た中で最も美しいElleの姿を見ることができたので良かったのですが…