私一人抵抗しても意味がないので。
昨年、総務省の「モバイル市場の公正な競争環境の整備に向けたアクション・プラン」というのに基づいて各携帯電話キャリアに料金の値下げ圧力がかかり、その結果としてNTTドコモからahamo、auからはpovo、SoftBankはLINEMOという安価なサービスが提供されるようになりました。私はIIJmioを利用しているのであまり関係ないと思っていたのですが、これはMVNOにとっては脅威というか、かなり余計なお世話というのものではないでしょうか。だいたい、実際には諸外国と比べて日本の料金は特別高いというわけではない(PDF)ようですし、そういう形で企業に負担をかけて物価を下げても国民の生活が逆に貧しくなるだけではないのかという疑問があります。
しかし、これに対してIIJmioはギガプランという新しい料金体系で対応してきました。これまでのmioモバイルでは月間3/6/12GBの1つのプランを複数のSIMで分け合って利用することができましたが、ギガプランではSIMごとに2/4/8/15/20GBのプランを契約するという形に変わりました。ただし、この6月からは同一契約ID内の回線間で通信データ容量を共有できるデータシェア機能が利用できるようになったので、実質的な使い勝手としては大きな違いはなくなりました。一方、データ容量に対する料金は大幅に安くなっており、以前は3GB音声つきで1760円だったものが4GBで1078円、2GBなら858円となっています。もし6GBプランを2回線で利用していたとすると、追加SIM利用料440円が加算されて2442+440=2882円だったものが、4GBと2GBのプランの共用で1078+858=1936円と900円ほど安くなることになります。このプラン変更は一方通行ではありますが、ギガプランの利用によるユーザー側のデメリットは一切ないようなので、IIJとしてこれで良いものなのかどうかは心配なところがありますが、家計的にありがたいことではあります。
我が家では以前は私が一人で6GB、妻子3人とモバイルルーターで12GBを共用する契約にしていましたが、これを8+4+4+4+2で合計22GBという構成のギガプランに変更しました。家族の間でも外出の度合いや出先での利用状況にばらつきがあるので、データシェアが使えなかった5月は長男の容量が0になってしまうということがありましたが、今後はそういった問題もないでしょう。COVID-19で外出を控えている状況下ではありますが、それが解消されたとしてもおそらく大丈夫です。
また、このデータシェアと同時にギガプランでは5G通信も無料で利用できるようになりました。会員専用ページでON/OFFを切り替えられるというもので、もちろん端末が5G通信に対応している必要がありますが、私のiPhone 12は対応しているので試してみることにしました。私はドコモ回線を使用するタイプDなのでNTTドコモのサービスエリアマップで確認してみると、私の自宅はエリア外なもののすぐ近くまでは来ていて、散歩コースでは半分ほどがエリア内のようです。
初めて見た「5G」の表示は軽い感動がありましたが、残念ながら5Gでは場所によって秒単位の遅延が見られることがあり、かなり問題のある状況だったので結局OFFにしてしまいました。また、この切り替えは夜8時から朝9時までの間は対応しておらず、今回のように朝の散歩中に通信状態に問題があるという場合にすぐに切り替えられないというのは大きな不満を感じるところでした。IIJmioの場合はボトルネックがMVNO接続の方にあるので、5Gにしたからといって通信速度が向上するというものでもないので、4Gの基地局が特別に混雑しているという場合でもなければユーザー側のメリットはないようなので、あえて利用する必要はなさそうです。
ということで5Gの体験はかなり残念なものでしたが、ギガプラン自体はデータシェアができるようなった今は何ら問題は感じられないので、大幅な節約になったのはありがたいと思っています。