名作と言って良いのでは。
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ハリウッドのスター俳優にRyan ReynoldsRyan Goslingという2人がいますが、この2人はファーストネームが同じで年齢も近く、顔の雰囲気もよく似ているので区別がつかないというのは私だけではないようです。写真を並べてみると違いははっきり分かるのですが、とりあえずそれぞれの代表作、「デッドプール」と「ラ・ラ・ランド」で覚えておくといいでしょうか。

その2人のRyanのReynoldsの方が主演の映画「フリー・ガイ」が2週間前から公開されていますが、私は公開翌日に観に行ってきました。記事にするのは2週間遅れてしまったということになりますが、それは面白くなかったとか印象に残らなかったとかいうわけでは決してありません。主演のRyanが「現代版『バック・トゥ・ザ・フューチャー』と呼ぶ」という宣伝文句もありますが、むしろそのくらいの傑作と言って良いのではないかと思っており、「レディ・プレイヤー1 “狼系: Ready Player One”」に並ぶものではないかとなんとなく感じています。

ストーリーは簡単に言うと、もしもGTA Onlineの中のNPC (Non Player Character)が自我に目覚めたら、というような話です。MMORPGであるFree Cityの中の、日常的に銃弾が飛び交い、プレイヤー「ヒーロー」による暴力が横行する世界に暮らし、毎日同じ生活パターンを繰り返しているはずのNPCの一人、Ryan Reynolds演じるGuyが、あることをきっかけに自我に目覚め、ゲーム世界に波乱を巻き起こすということになります。

本作の翻訳監修にファミ通編集部が入っていると表示されていましたが、この”NPC”について字幕では一貫して「モブキャラ」という用語が当てられていました。日本のゲーム関連業界やプレイヤーの間では「モブキャラ」と呼ぶのが一般的なようですが、もともとmobというのは群衆のニュアンスがあるので、特定の個人を指すときに使うのは私にはどうも違和感があります。どうせゲームを知らない人には「モブキャラ」でも通じないのですから、日本でも通じるのでいっそ「NPC」のままの方が和製英語を使うよりは良かったのではないかと思いながら観ていました。

なお、本作はディズニー傘下に入った20世紀フォックスあらため20世紀スタジオの作品ですが、ディズニーらしく子供から大人まで安心して楽しめる作品に仕上がっています。作品のテーマからして、逆にリアリティを追求すればいくらでもグロテスクな演出にすることが可能だったはずですが、もしそんな作品であったら少なくとも私の評価は大きく違っていたでしょう。また、同じく傘下に入っているMarvelのアベンジャーズやスター・ウォーズからの引用もあるので、コングロマリット化にはこういうメリットもあるのかと感じられるところでした。

アメリカのコロナ明けムードの中での公開となったこともあり、興行成績も悪くなかったようで、早速続編製作の話も出ているようです。どのような方向に話を広げていくのか、私にはあまりうまいストーリーが想像できませんが、超一流の脚本家の手にかかれば素晴らしい話が作られるのでしょう。公開は数年先になるでしょうが、楽しみに待ちたいと思います。ひょっとするとその頃には今想像できないような画期的な技術がゲームに導入されていて、それが物語にも取り込まれていたりすると楽しいかもしれませんね。