近代化遺産ろまん紀行 西日本編

先方がどう思っているかは知りませんが、珍しく私と近い価値観を持っているようでしばしば鋭くツボを突いてくる後輩が「近代化遺産ろまん紀行 西日本編」という本を貸してくれました。読売新聞日曜版の連載をまとめたものだそうで、近代化の遺物として全国各地に残る建造物を紹介しているものです。東日本編と西日本編に分かれているうち、今回は西日本編を貸してくれたのですが、当人は東日本編の方が惹かれるものがあるということです。

実は先日南禅寺に行くきっかけになった水路閣もこの本に掲載されているものを後輩が教えてくれたものなのですが、ほかにも全部で82もの歴史的に価値のある建造物が紹介されていて、それを見るために各地を訪れるもの楽しいのではないかと思われます。各項目には見開き2ページの文章で歴史的な背景やエピソードが紹介され、その後の見開きの大きな写真でその姿を知ることができます。

一般に観光名所にはなっていないものばかりで、まさに知る人ぞ知るといった古い建造物なのですが、外観の美しさだけではなく、その背景を知ることによって味わい深さが増してくるのではないでしょうか。知らない人にとっては単なる古臭いだけの建物が、歴史というものを纏うことによって重厚感を漂わせてくれます。

観光地に行くと自分は棚に上げて他の観光客が目障りに感じてしまう私ですが、この本で紹介されているようなものならばそういった心配もなく楽しむことができそうです。ただ、周りには何もないようなものが多いので、本を読んでいない家族にとっては退屈でしかないかもしれないのですが…

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