O'Reilly私はこれまでに様々なプログラミング言語に触れ遊んできましたが、スクリプト言語にはASCIIの「AWKを256倍使うための本」でその楽しさを知ったawkから「Perlというのがいいらしい」とPerl4へ進み、そのままPerl5へ進んで最近はコマンドラインで実行するツールの類はほとんどPerlで書いていました。強力無比な文字列操作やハッシュ、さらにCPANが非常に便利で、大量のデータを操作するようなメモリ負荷の高いもの以外は大抵のことができてしまい、チマチマとCなどで書く気になりませんでした。

しかし、そんな便利なPerlも拡張に次ぐ拡張で非常にグロテスクな言語となってしまい、特にオブジェクト指向サポートについてはかなり無理矢理な実装になってしまっています。また、次のメジャーバージョンアップ版であるPerl6ではこのあたりが整理される代わりに、これまでとの互換性がなくなるという話もあって「いつまでもPerlではないのかなあ」という気になってきてしまいました。

そんな閉塞感を感じているときにこのブログをPerl CGIで実装されたMovableTypeからPHPによる実装のWordPressへ移行することになり、PHPも勉強してみようと思い立ちました。PHPの入門書といえばPHP4徹底攻略改訂版のPDF版が無償で公開されているのですが、PDFもリファレンス的に使用するには良いのですが、読む場所も限られてしまったりするので、やはり書籍の方が勉強には適しているように思います。

ということで、コンピュータ関係の専門書といえばやはり何といってもO’Reilly、ということでPHPの本を探してみたのですが、今のところ日本語訳されているのは「初めてのPHP5
」のみのようです。「初めての…」というタイトルがちょっと素人っぽくてイマイチ…と思ったのですが、他の入門書に比べれば硬い内容になっているようですし、ほとんど予備知識のない言語なので初心者向けでいいだろうということで購入することにしました。

初めてのPHP5
初めてのPHP5

posted with amazlet on 06.02.27
デイビッド スクラー David Sklar 桑村 潤 廣川 類
オライリージャパン (2005/10)

ということで読んでみたのですが、かなり初歩的な内容から始まるものの、ウェブアプリケーションとは切っても切れない関係にあるデータベースに関する話題やXMLに関連する内容など丁寧に解説してあり、とてもわかりやすいものでした。PHPの文法が思っていたよりも素直だったのもありますが、ちょっとしたスクリプトはすぐに書くことができるようになりました。ただ、元の英語の言い回しが想像できるような、あまりにも直訳過ぎるのではないかという部分も多々あり、翻訳の質はそれほど高いものではないという印象です。とはいっても読みづらいというほどではありませんが。

実はまだ最後までは読み切っていないのですが、原書ではPHP Cookbookというのも出ているようなので、これも日本語訳されないものかと待ち遠しくなってしまいました。すっかりPHPが気に入ってしまった私なのですが、かといってPerlを見切ってしまうというわけではなく、要は適材適所ということですね。ということは結局もとの閉塞感は何ら解決できていないということになるのですが…

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