Audacityこの3月で長男が卒園した幼稚園に、3年間の集大成ともいうべき一大イベントとして「親子ミュージカル」というものがあります。

もともとちょっと変わった幼稚園で、園長の確たる教育理念の元に全てが行われているのですが、普通の園でよくある「おゆうぎ会」というのは大人のための行事でしかないということで一切やりません。あくまで子供の教育が最優先です。教育といっても「お勉強」はほとんどやらず、この幼稚園の時期でなくてはできないことだけで、小学校に入ってから即、役に立つようなこともやらないため、小学校の先生には「あの園の子は…」と疎まれているそうです。…こんなに私(の息子)にぴったりの園が他にあるでしょうか!

それはさておき、この親子ミュージカルで舞台に立つのは子供だけではなく、親も一緒に舞台に立ち、大道具・小道具・衣装を製作しメイクを担当するなど、一緒に作り上げるものとなっています。ほぼ1ヶ月間、週に何度も練習や打ち合わせが行われるので、参加できるのは事実上母親に限られてしまいますが、過去には数人の父親が舞台に立っているそうです。しかしその間、練習会場となるホールへの送迎その他の面で家族のサポートは必要になりますので、結果的には家族全員がそれなりの思い入れを持つことができました。

そんな一大イベントなので妻も「ぜひサントラが欲しい」と言うのですが、「著作権上問題がある」というか実際には問題を起こしたくないということで舞台で音源として使用したCDを貸すということはしてくれません。まあそれももっともという気はするのですが、代わりに曲名などは教えてくれると言われても同じ曲でもアレンジが違うと雰囲気はガラッと違ってしまうので、やはり使用した曲そのものが欲しいものです。実際、”We Will Rock You”も使われているのですが、Queenの演奏ではないのでだいぶ違う感じです。

ということで仕方なく、あとで販売されるDVDからリッピングして若干の編集を加えて音楽CDを作ることにしました。ちなみに、上演当日のビデオや写真の撮影は禁止されていて、その代わりに業者に頼んでビデオを制作してもらうからそれを買いなさいということになっています。

さて、DVDからのリッピングはSmartRipper、WAVファイルの抽出はDVD2AVIという、定評のある若干アングラなソフトウェアを使用しましたが、これはメニュー操作だけでほとんど手間のかからない作業です。しかしここでできたWAVファイルは全編1時間半分が一つのファイルになってしまっていますので、このままCDに焼いたのではちょっと聞きにくいものになってしまいますし、幕間のざわめきや拍手、ナレーションもそのままということになってしまいます。

「サントラ」というからにはそのままではちょっとアレなので、せめて曲単位の分割や不要部分のカットくらいはやろうということで使用したのがAudacityというフリーソフトウェアです。これはWindowsのほかLinuxなどでも使用できるのですが、十分に安定した使い勝手のいいソフトウェアです。類似のものでYAMAHAがもともとシンセサイザの音源編集用として無償公開しているWave Editor TWEというものがあり、私も以前はこれを利用させてもらっていたのですが、2001年から更新が停まっており若干古さを感じてしまいます。私が普段どういうときにこのソフトウェアを使うかといえば、携帯電話の着うたを編集するときくらいなのですが、Audacityの場合はTWEではできなかったMP3の読み込みができるのが一番嬉しいところです。

今回の実際の作業は全体のWAVファイルを読み込み、その波形からマウスで範囲を選択し、音を聴きながら微調整し、別ファイルにCopy & Pasteし、前後を適当にFade In/Fade Outさせ保存する、という一連の流れになります。それだけのことでそれなりに聴けるCDができてしまいましたが、このひと手間をかけるかどうかで随分違うような気がします。

しかし、ここでできたCDを大っぴらに配ったりするのはやはり著作権の問題がありますよね。JASRACから配分されるくらいの額であれば著作権者に払うというのもやぶさかではないのですが、JASRACに搾取されてしまうのはいやですね…何とかいい解決策はないものでしょうか。私の家で聴いているだけであれば「私的録音の範囲」で問題はないのでしょうが…

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