Pluto太陽系の惑星と言えば「水金地火木土天海冥」か「水金地火木土天冥海」か、「今はどっちなんだっけ?」なんて話をしていたものですが、今週プラハで開催されていた国際天文学連合(IAU)の総会でこれを大きく覆す決議が採択されたようです。

当初案ではエッジワース=カイパー・ベルト天体2003 UB313カロン、小惑星ケレスの3つが新たに惑星として追加されるという内容であったのですが、これに異を唱える者が多かったため作成された修正案では冥王星が「惑星」から「矮惑星」に格下げされる内容になってしまいました。はじめに3つの星を追加しようとしていた根拠の一つが「冥王星より大きい」ということだったのですが、そもそも直径が月の2/3しかないような星が惑星ということ自体にちょっと違和感がありました。また、太陽系の惑星の中で冥王星だけが他の惑星に対して傾いた楕円形の公転面を持ち、時期によって海王星の内側に入るというのもかなり異端的でした。

また、冥王星とその外側に追加されようとしていた2つの星はいずれもアメリカ人により発見されたものだったのですが、これらが全て認められなかったことで太陽系にはアメリカ人が発見した惑星がなくなってしまいました。これによってアメリカ市民の天文学への興味が一段と低くなってしまうのではないかという心配は杞憂でしょうか。

まあ、惑星か矮惑星かというようなことは単なる定義だけの問題であり、どこに線を引くかで簡単に変わってしまうものなので、本質的にはあまり意味のあることではないと思うのですが、これによって教科書をはじめとする書物や博物館の展示物などに与える影響はかなり大きいですね。在庫を抱えてしまっているところは一気に大損ですが、そうでないところでは特需が生まれたりもするのでしょうか。

これで太陽系の惑星は8個と確定したわけですが、そのうち子供が持っている宇宙の図鑑を見て「昔は冥王星というのが惑星とされていたんだけどね…」という話をすることになるのかもしれません。私が子供の頃は雷竜の代表的存在だったブロントサウルスも幻だったわけですが…ま、ちょっと違いますけどね。

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