University of Michigan“The Victors”はちょうど「若き血」のようなもの。

私の住むAnn Arborという街にはミシガン大学という歴史のある州立大学があります。街の中心部をはじめ、かなりの面積を占めていて非常に大きな存在感があるのですが、公立大学としては全米トップクラスの大学であり、街の人達も大変誇りに思っています。そして、アメリカではスポーツといえばアメリカンフットボールが一番人気があり、このミシガン大学のフットボールチームWolverinesも大変な人気がありますが、このWolverinesのホームスタジアムであるMichigan Stadiumはおよそ11万人という全米一の収容人員を誇り、それはAnn Arborの人口に匹敵するものとなっています。なお、ここでは今年の元日にNHLWinter ClassicというDetroit Red WingsToronto Maple Leafsアイスホッケーの試合が行われたり、先日はManchester UnitedReal MadridというサッカーGuiness International Champions Cupの試合が行われたりもしています。

さて、私もAnn Arborに住んでいるからには一度はここで試合を見てみたいと思っていたのですが、大学フットボールの試合は全て土曜日に組まれており、土曜日には補習校に行かなければならないのです。9月の第1月曜日に設定されているLabor Dayという休日の前の土曜日には補習校が休みとなっており、この日だけは観戦が可能なのですが、3連休であるため昨年、一昨年は旅行に行ってしまったのでした。しかし今年はグランドサークルから帰ってきたばかりということもあって旅行はやめたので、3年目にしてようやく観戦することができました。
Michigan Marching Band
なにしろ10万人以上の人がスタジアムに集まってくるということなので、普段なら自宅から30分足らずで着くはずの道のりも計画的な移動が必要です。近くに十分な駐車場があるわけではなく、また周囲の道路も大変な渋滞が予想されるので、試合が始まる正午から2時間以上前に自宅を出てバスでダウンタウンへ向かい、そこから20分ほど歩いてスタジアムへ向かいました。到着したのは開始30分前でしたが、11時45分からマーチングバンドの演技が始まることになっていたので、食べるものを買ったりしているとちょうどよい時間でした。

このマーチングバンドもこの試合の見どころの一つです。300人近いメンバーの整然とした動きと演奏はなかなか日本では見ることができないものではないでしょうか。特に”The Victor“と”Let’s Go Blue”という曲はこの後何度も聞くことになりましたが、観客も曲に合わせた手拍子と掛け声があって、ここで会場はすでに一体となっているようでした。
Michigan Wolverines
その後試合が始まりましたが、今回の対戦相手はアパラチアン州立大学Mountaineersです。相手の強さなどはさっぱりわからないのですが、この試合を見ている限りではかなりの力の差があるようでした。第1クォーターからミシガン大がそつなくタッチダウンを連続するのに対し、アパラチアン大は抑えこまれてしまっていて、第2クォーター終了時点で35対0となんだかかわいそうになるくらいでした。その後後半に入ってからはアパラチアン大もタッチダウンを取ってきましたが時すでに遅し、最終的には52対14とミシガン大の圧勝に終わりました。結果としては数字の上でもほぼ全てミシガン大が上回っているようです。

しかし少しくらいはアパラチアン大を応援する人もいるのかと思っていましたが、見渡す限り青と黄色のミシガン大カラーに染まっていて、これこそホームゲームの力ということなのでしょう。特に私の後ろに座っていた若い男性は大声で野次を飛ばしてあまり品の良い応援ではありませんでしたが相当熱が入っており、そこまで力を入れて応援するのはどうしてなのかと不思議なほどでした。日本では一般の人が関心をもつ大学スポーツといえば正月の箱根駅伝東京六大学野球くらいのものではないかと思いますので、こうしてプロスポーツに負けず劣らずの人気があるのはなぜなのでしょうか。

ということで、これまでフットボールの試合自体生で見たことはありませんでしたが、ゲームとしても楽しめましたし、大学スポーツを味わってみるという意味でも楽しむことができました。今度はぜひミシガン大のバスケットボールアイスホッケーも観戦してみたいと思います。