チロルチョコ 塩バニラ1個10円の中に仕込まれた細工は日本ならでは

最近GIGAZINEでも取り上げられていてちょっと気になっていたのですが、先日頼まれたものがあって会社帰りに近所のスーパーに寄った際、おすすめのコーナーの一角を占めていたのがチロルチョコ塩バニラ10個入り100円のパックでした。チロルらしからぬ爽やかなブルーのパッケージになっていてとても気になってしまったので、ダイエットと虫歯予防のために甘いものは控えようと決めていたのもわずか3日で忘れて、ついつい手にとってレジに向かってしまいました。

ご当地デザートとして全国各地で見られる「塩ソフト」をイメージして作られた製品のようですが、食べてみるとなかなか凝っていて案外悪くありません。ベースはバニラ風味を利かせたホワイトチョコレートで、その中にプツプツと塩の粒が入っていて、咬んでみるとジャリジャリとした不思議な食感があります。また中心部にはマシュマロが入れられているので、最後にはムニュムニュしたまた違う食感があって「一粒で二度おいしい」どころか3種類の味わいを楽しむことができるものになっています。塩のしょっぱさもほどほどでそれほど主張するものではなく、全体的なバランスはよく考えられているのではないでしょうか。

私が物心ついた頃からあるようなチロルチョコも当初はコーヒーヌガー一種類でしたが、近年は毎年様々なバリエーションが考案されて、この小さなチョコの中にはおもちゃ箱のような賑やかさがあって子どもから大人まで楽しむことができる素晴らしい製品群になっています。駄菓子屋で一個一個好みの味のものを選ぶも良し、バラエティパックを買って色々な味を次々味わってみるのもまた良し、ということで、私も大好きな製品です。

しかし基本的に子ども向けの駄菓子に過ぎないものにこれだけの凝った細工を作り込み、なおかつ大量生産できてしまうというのは日本ならではのものではないでしょうか。欧米の子ども向けの菓子では単に形や色が奇抜なだけのものがほとんどで、大人も一緒に楽しめるようなものはなかなかないように思います。スナック菓子などでも日本のものは圧倒的に洗練されたものになっているのですが、やはりこういうところには日本の技術力が生きていると言えるでしょう。また食に対するこだわりも世界随一ということも言えるかと思います。

ちなみに「コンビニで売られているチロルチョコはバーコードを入れなければならないので若干大きめになっている」というトリビアがありますが、私はそれを聞いて「それならコンビニの方がお得ではないか」と思い込んでいました。しかし今1個売りされているものはちょっと大きい代わりに20円なのですね。気付いてみれば当たり前のことなのですが、チロルは10円という思い込みがあったのでちょっとしたショックでした。

ということで思っていた以上においしかったこの「塩バニラ」、西日本では5月28日から売り出されているということですが、東日本では7月上旬からの発売だそうで、これまでの他の製品も西日本先行のものが多いというのは発祥の地は福岡県田川市で、徐々に西から進出してきたという歴史があるためでしょうか。何となくいつも東京に先行されてしまうことが多いように感じる関西の住民としてはささやかな優越感を感じたりしますが…くだらなすぎますね。